2019年11月読書まとめ19冊。ベスト1は、「縁/小野寺史宜」
2019年11月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:4749ページ
ナイス数:183ナイス
https://bookmeter.com/users/269616/summary/monthly
■縁
前作「ひと」以降ソフトな印象から、ちょっと苦いミドルテイストに見事作風を上げてきた感あり。「霧」「塵」「針」「縁(へり)」、そして「終」。各章のタイトルできっちり話を締め次に行く所は、まずナイス。登場人物が少しずつクロスしていく所では、読み手が分かりやすいよう、重なり合う場面をプレイバックしている所も丁寧に書いているのが興味深い。市井の人々それぞれの悲喜こもごも。苦あればちょっと楽も来る。「白馬の王子様は、基準を下げれば結構いる。ただ多くの王子が降り方を知らず、一々手を貸す必要有り」。なるほどね。
読了日:11月05日 著者:小野寺 史宜
https://bookmeter.com/books/14329761
■静おばあちゃんにおまかせ (文春文庫)
刑事と女子大生とおばあちゃん。なんとなく最初は、赤川次郎さんの過去作に似てるような気もするなあ・・・と思って読んでいたのですが。タイトルの静おばあちゃんは「安楽椅子探偵」風で外には出ず、要所にチラッと。中盤あたりから「両親をはねた加害者は、あの被告じゃない」という円の疑問が並行して進んでいくところから、一気に面白くなってきました。各章の事件の謎を解いていく様も、分かりやすい。最期の事件も解決〜と思ったラストの「!!!」。だよね、中山さんだもの、こう捻ってきたかのオチ。途中断念せずによかったです。
読了日:11月11日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/8342878
■静子の日常 (中公文庫)
のっけから“ばかについて調べたいと思った”。加えて短い話がいくつも出てきて???。だけど読んでいくうちに、話の世界にのめり込みました。祖母・静子をメインに。親子3世代家族4人の、日常が綴られていく様。そしてちょっとずつ絡み合う様が心地よい。話が短いので寝る前でもいいかなと思ったけど、結局さっくり読んじゃった。終盤「海苔巻きが待っているから、家に帰ろう」。このセリフ、気に入りました。良作。
読了日:11月11日 著者:井上 荒野
https://bookmeter.com/books/5052871
■朝のスッキリ1分ヨガ&夜のゆるゆる3分ヨガ
「夜ヨガ」に興味があって借りました。ヨガモデルがイラストで、かつ小さいので。50代の目にはちょっときついかな。でも冒頭は基本があり。「朝ヨガ」「夜ヨガ」それぞれ15くらいのポーズなのでやりやすそう。本も薄いので、いいかと。
読了日:11月12日 著者:シダ エリ
https://bookmeter.com/books/98166
■あずかりやさん (一般書)
初読。表紙から猫本?と思ったけど、そうじゃなかった(猫が語りの章もあるけど)。持ち込まれる物の、エピソードや。語りが人間だけじゃなく、お店の暖簾やケースっていう設定。学生向けのようだけど、大人だって十分楽しめるし。むしろこういう、最後はほっこりする話ばっかり読んでいれば心も優しくなれそう。『おそらくここは、みんなの帰る場所。いつまでも変わらずに待ってくれている場所なんです』。駆け込み寺っぽいかもね。私だったら何をあずけたいかなあ。
読了日:11月13日 著者:大山 淳子
https://bookmeter.com/books/6510939
■一日の体調を整える 朝のヨガ
正直字が細かいので、本を見ながらやるのが難しい。朝ヨガのポーズは少しで、後は「身体に優しいおはなし」でした。
読了日:11月14日 著者:サントーシマ香
https://bookmeter.com/books/12730318
■([お]15-2)あずかりやさん 桐島くんの青春 (ポプラ文庫)
帯には「桐島の青春時代」云々とありましたが。店主の話はそれほど出てこず、前作に引き続き店に預けられた、文机・オルゴールの擬人化=目線で語られるエピソード。ちょっと悲しい話ばかりなのに、さらっと読めてしまうのがいい感じ。「明日町こんぺいとう商店街には楽になる扉がある」。いつでも駆け込める場所があると知っているだけで、前に進めるのかも。1作目から読むのがベターです。
読了日:11月15日 著者:大山 淳子
https://bookmeter.com/books/12981354
■風は西から
久しぶりの村山さん。恋愛小説のイメージが強く、社会派をどう描くのかな。冒頭1/3は千秋と健介の結婚一歩前の恋愛話なので、二人に感情移入できました。健介の仕事に一生懸命な所、だけどだんだん崩れていく場面は心が痛みます。労働組合もないワンマン会社ってどうよ?。千秋と健介の両親が、悲しみの中から立ち上がり。「あんたらの誠意っちゅうのは札束の形をしとるんか!」と会社相手に啖呵をきって反撃に出る姿。第2の犠牲者を出してはいけない、息子の無念を晴らさねば。読んでいる方も俄然力が入りました。一気読み間違いないです。
読了日:11月17日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/12713472
■毎朝、目覚めるのが楽しみになる 大人女子のための睡眠パーフェクトブック
「寝る子は育つ」「寝ればなんとかなる」ってこういうことかーな内容。容易な文章で印字も大きく。大切なところはマーカーになっているのも読みやすい。いくつもうなづくところがあり。「寝不足だと夜ものを食べたくなる欲求が高まる」はドキーン。運動をすると寝れるは実感してたけど。「昨日の就寝時間から19時間後がベスト」は、なるほどなあ。睡眠に悩む人もそうじゃない人も、手にとってみる価値はあります。寝る前の耳じゃんけん、気持ち良すぎ。
読了日:11月17日 著者:友野なお
https://bookmeter.com/books/11993797
■美人をつくる熟睡スイッチ
睡眠のことを知りたくて借りました。結構なるほどなあ、の発見もいくつか。「熟睡スイッチをONにする時間割設定」。起きる時間から逆算して、入浴や食事時間を計算するって面白い。ただ、我が家は入浴後の食事なんだよねーと。「就寝前のうっとり時間」には、日本語の歌は詩の内容等が頭に入るので、避けた方がいいには納得。「入浴手順」も1回目は20分以内→次は短時間と、へーな箇所も。寝る前に温めたハンドタオルを目に当てるのも、良さげだな。ストレッチ方法もあったりして、睡眠に悩む方は参考になるかもです(実は結構熟睡派でした)
読了日:11月17日 著者:小林麻利子
https://bookmeter.com/books/11238453
■集団探偵
格安物件に入居したら、「ここで暮らす住人には探偵活動に参加する義務がある。参加したくないなら出て行くしかねえな」って。聞いてないよ〜。主人公・流太が入ったことで住人の数が奇数=多数決ができるって笑。「クマ出没事件」「逆・振り込め詐欺事件」等、各章のタイトル=事件が。身近にありそうな話ばかり&語り手は主人公の目線のみなので、わかりやすい。「報酬はハートに支払われる」「警察じゃないので多少法に触れても問題無い」「謎に貴賎も大小もない」って、胸をはるメンバーがまた愉快。よくある話でしたが、終章がグッジョブ!
読了日:11月18日 著者:三浦 明博
https://bookmeter.com/books/12702267
■テミスの剣 (文春文庫)
警察物8割・裁判物2割。この二つの要素で構成されているのがとても興味深い。昭和59年・不動産屋夫妻殺害事件を軸に話が展開。証拠が揃っているなかで、被告の無罪主張。判事は法律家としてではなく、一人の母親として悩む姿が印象的。主人公・渡瀬が、ずっとこの事件に巻き込まれて行く様。冤罪だったことが発覚し、調べて行くに連れて大渦に巻き込まれながらも、自分を貫きとおすのは。「組織を裏切るのかor忠誠を誓うのか」。途中かつてのパートナーの姿を見て「これは未来の俺だ。刑事としては優秀でも人間としては劣悪」。読み応え抜群!
読了日:11月20日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/11495512
■心に輝く 旅の宝石箱: 著名人が綴る珠玉のエッセイ集
人情モノかなあと読み始めました。著名人といっても実に様々な方が列車や、出かけた先の思い出を書いてました。谷村新司さんの「駅弁は心のエネルギー」「富士山でその日の運勢を勝手に占う」って、わかるう!。あと私の 地元が出てきた回は興味深い。毛利衛さんの「F駅(地元駅)の駅構内で食べた蕎麦が美味しかった」の記述を見て、もう猛烈に駅そばが食べたくなりました。一人旅、したいなあ。
読了日:11月20日 著者:交通新聞社
https://bookmeter.com/books/13629681
■あしたの朝子
さっくり読めたのですが、山口さんのお母様の伝記ということで。うーん、どこかで観た様な内容なのは仕方ないのかな。戦後周辺からの話なので、古めかしいし。義母の記述がほとんどないところも、どうかな。別居しているとはいえ。私世代でもそう思うから。「食堂のおばちゃん」シリーズ的に、若い人が読んでもわからないかも。ま、時代を読んでいくと思えば。それなりかな。食事のシーンはさすがです。
読了日:11月22日 著者:山口 恵以子
https://bookmeter.com/books/9757095
■少し金を貸してくれないか 続・三角でもなく 四角でもなく 六角精児
ビバ!六角さん。TVでよく語る「ギャンブル放浪記」的話はあまりなく(前作であったっけ?)。ちょうど執筆時が「石ころ人生」が出る頃だった様で、バンドの話も興味深い。鉄道や芝居の話そして不健康の話。「ダメじゃないのお〜」って肩をバンバンしたくなったりして。六角さんファンにはたまらない、エッセイでした。
読了日:11月22日 著者:六角 精児
https://bookmeter.com/books/7993337
■スナック墓場
タイトルに惹かれて読んだのですが。クリーニング店のところで、オチがないのに気づき。私にはあいませんでした。残念。
読了日:11月24日 著者:嶋津 輝
https://bookmeter.com/books/14338826
■たそがれビール (幻冬舎文庫)
そういえば小川さんの小説は何冊も読んだけど。エッセイってあまり読んでないかな。寝る前のひと時に、少しずつ読みたい感じのサラッとした感じが好感度大。「サーカスの取材」って、あの作品だよね〜って思い出したりもしました。一番心に残ったのは、「自国を離れれば、中国も韓国も日本も、仲良くなれる」。目から鱗でした。またエッセイ集、寝る前のお楽しみに、読んでみたいです。
読了日:11月25日 著者:小川 糸
https://bookmeter.com/books/9296563
■まち
本屋大賞2位の「ひと」→「縁」→今作の「まち」。シンプルなタイトルが続いているけど、読み終わってからそういえばこの本のタイトル・・・!。と納得する作風が実にいい。大事件はない。でも日々過ごすうちには色んな出来事があって、それが人を繋げていく。そんな市井の人々を丁寧に書かれているし、一貫して主人公視線なのも分かりやすてシンプル。なんとなく住み始めた東京の生活。もしかしたら田舎に帰るかもしれないけど、今はここに居る=住めば都。帰るところがあるから、心はブレない。じいちゃんの言葉が随所に光っているのも味わい深し
読了日:11月28日 著者:小野寺史宜
https://bookmeter.com/books/14788650
■育てて、紡ぐ。暮らしの根っこ
小川さんの著書を読んだことがある方なら、「あの作品(どれでも可)の根底は、ここにあるんだな」と思える一冊。「自分に無理をせず、できる範囲で今を大切に生きる」。そんな考えが随所に垣間見れました。ちょっと散らかってるけど、掃除は週末でいいや。立ってこんでいる時は、家から5分のお弁当屋さんを家のセカンドキッチン(この言葉好き)に。犬と一緒に暮らし始めて、家族が群れになるーー。ドイツでの暮らしの話も興味深い。「物を捨てるのは、本当の最終手段=使えるものは他人に譲る」。捨てる作業は心が痛むものね。縁側で読みたい1冊
読了日:11月29日 著者:小川 糸
https://bookmeter.com/books/14317528
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(他ブログからお引越しです)。
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