2019年読書まとめ。138冊も読んだっけ?!

2019年の読書メーター
読んだ本の数:138冊
読んだページ数:37132ページ
ナイス数:1922ナイス
https://bookmeter.com/users/269616/summary/yearly
■ミッドナイト・バス
「男と女が出会って、子を授かって結婚し、家族になる」。でもそれが離婚によって、家庭が崩壊しても。親子であることには変わりない。憎しみあったわけじゃない。主人公・利一には恋人がいるけれど、新しい家族を持っている元妻の事も、いろいろ気になって心配してしまう。一度繋がった縁っていうのは、何かしら続いていくっていうのが。随所に感じられました。恋愛要素4・家族要素6。「優しくしないで、甘えてしまうから」など胸キュンしちゃう切ないセリフも印象的でした。映画はどんな感じだったのかなあ。
読了日:01月02日 著者:伊吹 有喜
https://bookmeter.com/books/7845304
■心と体が軽くなる! 楽しいスローランニング (Gakken Sports Books)
わかりやすい書いてあるし、ストレッチの事もあり。シンプルな内容なので挑戦したいです。
読了日:01月06日 著者:MIDORI
https://bookmeter.com/books/9047643
■まんぷくローカルマラソン旅
約1年ウオーキングをして。体が慣れたようで、最近体重が落ちない。ならばちょっと走ってみるか?と、図書館で入門編を探していたら。偶然この本に会いました。読んで一言。「市民マラソンって、楽しそう!」。コンサートの遠征に行くの同じで。マラソンに参加することで、開催地の人と触れ合ったり、給水地点でのおもてなしがあったり。なるほどねえ。マラソンってTV中継を見ると、とても過酷に思えてました。作中面白かったのが「カレーマラソン」。具材を取りに各自走るって(笑)。入門編というよりは、「こんなに楽しいんだよ」を知るかな
読了日:01月08日 著者:たかぎなおこ
https://bookmeter.com/books/6392204
■スロージョギング健康法 ゆっくり走るだけで、脳と体が元気になる!
「どうすると、どういう効果があるのか」。ただゆっくり走るだけでなく、その理由づけがあると、続けることにつながりそう。「おお!、そうか」と納得するところがいくつもありました。①準備運動は不要(通勤時にしないのと同じ)。走り終わったら、ストレッチ。できれば走り出す前に、数十メートル歩くとよし。②せっかく続けても、止めて一か月すると。善玉コレステロール値が元に戻る。③スピードに関係なく、走行距離に比例。1㎞走れば、体重1㎏あたり1㎉消費。30分弱で読めるので図書館本で十分。参考書は「暑さが薄いほど効果ある」。
読了日:01月11日 著者:田中 宏暁
https://bookmeter.com/books/662324
■拳に聞け!
表紙から主人公のボクサーが云々・・・って話かと思ったら。立ち退き寸前のボクシング・ジムに出会った、「便利屋」省吾が主人公。舞台は大阪っていう設定が面白い。熱血スポコン物ではなく、商店街の人情味あふれる雰囲気もいい。ジムの会長の息子・勇気が、日本チャンピオンを目指していく「ボクシング」話は、漫画「リングにかけろ」世代にはたまりません。パンチの威力を「頭から水しぶきが飛ぶ」っていう言い回し、なるほどなあ!。誰もがみな、かつての仲間と繋がっている。会長の愛弟子や、省吾の元仕事仲間の話もチョイホロり。
読了日:01月15日 著者:塩田 武士
https://bookmeter.com/books/9809188
■さいはての彼女 (角川文庫)
何かに行き詰ったり、心をリセットしたいとき。自分の身をいつもとは違うところへ置いてみる。それが旅の効能なのかも。そう思える短編集。沖縄に行くはずが、北海道に着いてしまったワンマン女社長。一緒に行くはずだった友達の家族が病気になったので、一人旅になった女性。会社上層部に腹を立て、一か月の有休をとって北海道にきた女性。それぞれが現地で出会った人や自然と触れ合うことで、方向転換していく様。その描写が目の前の光景のように、広がっていきました。最後はバイク旅に出かける娘を見送る母にも共感。長く旅していないな、私。
読了日:01月17日 著者:原田 マハ
https://bookmeter.com/books/5739293
■戻る男
「あの時に戻れたら、やり直したい」。きっと誰もが持っている過去の古傷をなくすことができたなら。やってみますか?。映画で観るタイムスリップものは、古傷を修正する事に重きが置かれていて。周囲の人の記憶はどうなる?というかねてからの疑問を、主人公も感じ確認していく所が、話に入りやすかったです。そして一度経験すると、もう一回と欲が湧き。体験料の値段を吊り上げられても、やっぱり挑戦してしまう。人間の欲望の性ですなあ。終盤の謎解きが、主人公の語りでずらずら書かれているのが、またリアル。いろんな経験が自分を作ってるのだ
読了日:01月21日 著者:山本 甲士
https://bookmeter.com/books/607143
■夏のくじら
大崎さんというと「書店もの」をイメージするけど。デビューからまだ2年後に出版されたとあって、瑞々しいです。よさこいって何?と初心者の私にも、わかりやすく解説されている。いとしの女性を探す気持ちもあって、祖母宅がある高知大学に進学した篤史の。よさこいを通じて地域の人たちと交わっていく様子が、若さみなぎってます。そして地元高知の人たちの「土佐弁」満載なのが、話をきゅっと盛り上げていて、かっこいい。よさこい、今度テレビで観る機会があったら逃しちゃいかんね。
読了日:01月25日 著者:大崎 梢
https://bookmeter.com/books/577533
■脅迫者 警視庁追跡捜査係 (ハルキ文庫)
前作「報い」を読んだのが2年前。このシリーズもちょっと飽きたなと、この第8作手を付けていなかった私にカツ!。「自分が関わった事件を再捜査することはまずない」掟を、今作では破って進めていくのが目新しい。かつての同僚や上司に対峙する沖田を、西川が支えている。今までだと相反する面が多かった二人が、強力バディなのが胸アツ。それだけ二人も経験を積み年を取ったのね。推理要素は薄めなので、読みやすかったし。何より終盤で二人が「俺たちに何かあったら」と”仲間たち”に託する場面。堂場さんの警察物を読んだ人にはたまらん!
読了日:01月29日 著者:堂場瞬一
https://bookmeter.com/books/13000463
■チェンジ! (ハルキ文庫)
「コンバート」「背番号」「やりのこした事」「四分の三」「友」の5編。野球場を離れた所での、選手や監督の葛藤。タイトルがその内容を的確に表現していて、ナイス。ずっと野球の仕事をし続けられる選手はごくわずか。野球しかしてこなかった選手たちが、ぶち当たる壁。エース番号から大きな数の番号への変更や、ゴールデングラブ賞も何回も獲っているのに外野へコンバートだと?!。よく見る光景ではあるけれど、その心の中を少し見ることができた気がする。最後の2軍監督の憂いも、「どうなるんだろう、この先」という心配が伝わってきた良作。
読了日:02月01日 著者:柴田よしき
https://bookmeter.com/books/13000470
■トッピング 愛とウズラの卵とで~れえピザ
病気の妻に「笑顔になってもらうために」。ただそのために、福男を目指したり、南極老人星を見るツアーを計画したり。とにかく雅彦の一直線な「ファイト一発!」的なパワフルさに脱帽。というか、全編通しての岡山弁もあいまって楽しく読む手が止まりません。あゆみのがん治療の話も出てくるけど、あっさり書かれているので重くはありません。あゆみの実両親の話や、雅彦一家やその商店街の人々との話も織り交ぜてあるので、自分もそこにいるような感じもありました。ちょっとほろっと、だけど元気になれました。川上さん70歳とは思えない瑞々しさ
読了日:02月07日 著者:川上 健一
https://bookmeter.com/books/13202670
■ほどほど快適生活百科
私は群さんと約一回り年下。日々の事家族の事に怒っていた文章が、かつては楽しかったけど。今作はそろそろ人生の終盤への一歩を踏み出した「ちんまり」感があり。それに共感する私も、同じように年を重ねたのだなあとシミジミ。40歳と50歳じゃ、全然身心の活動力が違う。「アンチエイジング」もいいけれど、フルメイクなのに表情乏しい人よりは、シミがあっても笑顔でニコニコな方がずっといい。TVを点けっぱなしより、ラジオ派。猫ネタもあるあるだったし。最後は猫のように「あら、いないわね」と終わりたいのも同感。寝る前に少しずつ読了
読了日:02月08日 著者:群 ようこ
https://bookmeter.com/books/12643707
■真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5) (ハルキ文庫)
「美味しくてリーズナブルで栄養バランスが良くて季節感のある料理」そんな姑・一子のポリシーも、時代とともに変化しなければ店は残っていけなくなってきて。だけど一子が怪我したり、夫や息子の死を乗り越えて。ここまではじめ食堂は頑張れた。今回はバイトの万里が大活躍でした。外で食事しても「これはああすればいいのに」と早速メニューを提案し、時には常連さんも交えて。イスラム教のムスリムの賞は、なるほどなあ、と。一子の経験した戦後も、お米次さんじゃないと宿に泊めてもらえないとか。「誉め言葉は食堂で働く人には何よりもご褒美ね
読了日:02月11日 著者:山口恵以子
https://bookmeter.com/books/13430335
■コトラ、母になる: 津軽のネコの四季物語
図書館で「2/22猫の日」特集コーナーで見つけました。岩合さんの「世界ネコ歩き」は、15分版の「mini」も欠かさず見るほど一家で大好きです。世界中を飛び回っている岩合さんが、一年間通った津軽での撮影話。特番見たはずなのに、頁が進みました。この特番を取ることで、岩合さんの休日がなくなっても撮り続ける。コトラに「今から赤ちゃん撮らせてね」と話しかけるなど、猫の懐に入っていく岩合さんの姿がいいなあ。でも猫の世界の厳しさ(子を産んでも殺めてしまうなど)も、あえて文章で書くことで。外ねこの世界の厳しさを感じました
読了日:02月12日 著者:岩合 光昭
https://bookmeter.com/books/9821887
■蒼のファンファーレ
1作目をしらずに読んだけど。競馬小説って初めて読んだかも!。連れられて地方・中央競馬に何回か行ったことがあるので、すんなり入り込めました。厩舎にいる調教師・厩務員(世話役)・乗り役の旗手。そして一番の主役の馬たち。それぞれの出来事が色とりどりな模様を描いています。そして馬は、レースで負かされた相手や、必要に鞭を打たれた騎手の事を覚えているって、やっぱ生き物だな。レース直前のアクシデントの場面。厩務員・カニ爺の必死の叫びに涙腺崩壊。緑川厩舎みんなの託した牝馬「フィッシュアイズ」。最高な場面でした。
読了日:02月13日 著者:古内 一絵
https://bookmeter.com/books/11959394
■大人は泣かないと思っていた
市町村合併で吸収された村に住む、農協職員・時田翼。彼を軸に、友人や同僚、別れた母、ゆず泥棒とおぼしき「小柳レモン」。それぞれの話が連作短編集として連なっています。なので、少しずつ読まないと「これ、誰だっけ?」となりつつもサラッとした文章なので、読むのに熱量を上げることなくFin。本のタイトルに目が行くように、途中途中「おっ?!」となる文章もありました。親の介護だったり、結婚式に元カノが来たり、子の結婚だったり。年齢ごとに「こんな人いるな」「これいつか自分にもあてはまりそう」な箇所もありました。
読了日:02月15日 著者:寺地 はるな
https://bookmeter.com/books/12976793
■恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。
なんて素敵な作品なんだ!。作品に恋をしてしまったかもしれない。バーのマスターのお酒の話や、「ちょっと聞いていただけます?」とお客が話し始める恋愛話。そしてその内容に合わせた60~70年代のジャズ。「おいしいと感じる4割は、その場の雰囲気」と出てきたけど、その通り。以前TOKYOFMで放送された「サタデー・ウェイティング・バー」の「AVANTI」バーと、ちょっと似た感じかな。ショートショートな恋愛話が、いくつも綴られていて。どれもいつかの自分かもと思わせる内容に酔いしれました。寝る前の一冊でもいいかも
読了日:02月16日 著者:林 伸次
https://bookmeter.com/books/12932664
■猫から出たマコト
2/22猫の日に合わせて、図書館での「ねこ本特集」からチョイスしました。そういえば猫にまつわる諺って、マイナス的なイメージが多いかも。「猫ばば」っだって、たまたま地面に落ちていたものをありがたく頂戴しただけで。地面は猫のテリトリーだよなー。「猫なで声」も、やさしい”ふり”をして出す声。だけどにゃおと甘える声は、だましてなんかいない「真実の声」。いずれも猫に積みはないのでアール!。な、赤瀬川さんの写真やイラストが添えられているのも楽しい。「猫よけペットボトル」の、赤瀬川さんなりの解釈も面白かった。
読了日:02月18日 著者:赤瀬川 原平
https://bookmeter.com/books/16589
■一人っ子同盟
昭和40年代生まれの一人っ子な私。あの頃の記憶をいくつも思い出しました。新聞に載っている料理メニューはいつも4人分。3人分するには、4で割って3かけなくちゃいけないし。家には子供一人だから、子供だけの会話を親は聞けないけど、子供はふすま越しに「両親の会話」が聞こえる。「両親の名前・職業」が書かれた一覧表なんて、まさに昭和。今作の一人っ子は①兄を交通事故で亡くした信夫②一人っ子だったのに母が再婚して弟ができたハム子③越してきたオサム。ハム子とオサムの個性が強烈。イラッとしながらも、それが子供なんだな。
読了日:02月20日 著者:重松 清
https://bookmeter.com/books/8243349
■純平、考え直せ
組長から直に命を受けた「抗争相手の暗殺」。それも3日後。軍資金として大金ももらい、豪遊したり。今まで親の愛情も受けず、いつも孤独だった純平が。その3日間に、いろんな人と出会ったり、再会する。「これから刑務所に行こうという人間が、どうして人と出会ってばかりいるのか」と呟く場面。そんなもんだ。出会った女が「ラブホで会った純平ってヤーサンが、抗争相手を暗殺する」ってネットの掲示板に書き込んじゃったってところが今風。なので濃密な3日間が面白く一気に読みました。でさ、結末。奥田さんらしいフィニッシュですな。
読了日:02月20日 著者:奥田 英朗
https://bookmeter.com/books/1409295
■ありがとうのかんづめ: 子育て短歌ダイアリー
俵さんの作品は、短歌はもちろんの事、エッセイも好きです。そういえばこれ、読んでいなかった。母親というのはこれほどまでに、温かく子供を見守って育てて行くものなのだなあと感服。エッセイの各文、最初と最後に短歌があって、その中に文章がある。わかりやすい内容になっているのも好感度大。子供が成長していく限られた期間の中で、母親のできること。それを俵さんなりに「ゲームをしたら、それと同じ時間本を読む」など、押しつけがましくならないように導いていく箇所。ゲーム禁止じゃなく、子供に考えさせるのも大切。周囲の人の協力もよし
読了日:02月28日 著者:俵 万智
https://bookmeter.com/books/12384237
■さよならは小さい声で 松浦弥太郎エッセイ集
この本をチョイスしたのは偶然だったけど。大ビンゴ!。寝る前の本にしようと思ったのに、結局一気に読了。丁度春になる今の時期、太陽の光がうれしく感じる気持ちに似ている気がする。いくつもの言葉がじんわり心に染みました。気に入ったエピソード①引っ越ししてきた「ワカメ」ちゃんが、バス乗り場で初めましての挨拶をしたことで。顔見知りの他人だった乗客が自己紹介。②子供が望むことしてあげることが大切。どちらも自分だったり、親がそうしてくれたなと思い出しました。老いに関する話も、50歳過ぎた私には、心にメモしておきたい言葉。
読了日:03月05日 著者:松浦 弥太郎
https://bookmeter.com/books/6749821
■能面検事
「憎むべきは罪であって人ではない」。相手が例え上席や警察であっても、顔色一つ変えることなく対峙し、仕事を完璧過ぎるほどにやりこなし。”能面”と呼ばれる不破のキャラが、強烈!。符度って何ですかそれ状態。影となり支える事務官・見張る目線で書かれているので、「そんなに先に行かないでくださーい」と同じ目線で進み読めました。最初は短編物かと思って読み始めたけど。「大阪府警の証拠書類紛失」というありがちな話を端に発した事件。どんな壁をもズンズン突き破っていく様が痛快でした。もう頁少ないのにどうなるの?と一気読み面白し
読了日:03月06日 著者:中山七里
https://bookmeter.com/books/13002832
■海とジイ
「海神」でのジイは、いじめで登校拒否になったひ孫に「逃げてもいいが、逃げ続けることはできないんじゃ」。「波光」でのジイは、怪我で陸上競技を断念した孫に「自分の弱さを受け入れた時初めて、人は強くなれる」。どちらもジイの昔話からこの言葉を説いていくのが、いい。「夕凪」でのジイは診療所の先生。なぜ急に診療所を閉めることにしたのか。患者が老いて行くように、担当医だっていつか引退する時期が来る。「理不尽なことややりきれないことに対して抗う力がない」。白衣の下に隠された本音とそれを見守る看護師の絆が、ほろり。
読了日:03月08日 著者:藤岡 陽子
https://bookmeter.com/books/13210847
■樹木希林 120の遺言 ~死ぬときぐらい好きにさせてよ (上製本)
いやーよくここまで樹木さんの言葉、集めたなあ。見開きで一つずつの内容になっていて。自分も老いの一歩に近づいたからか頷くところが多く。また親から「あんたねえ~」って言われているような感じもありました。それにウイットに富んでいるから、説教されてる感もない。「夫が嫌いって言ったら、その分あなたも嫌われてますよ」ドッキーン(笑)。映画「人生フルーツ」のナレーションがすごく好きだったのですが。それにまつわる話「死というものを日常にすれば、怖くないし、人を大事にする」。確かに家で看取ることが少ない今、大切かもしれない
読了日:03月09日 著者:樹木 希林
https://bookmeter.com/books/13450220
■姑の遺品整理は、迷惑です
発売一か月ほどで、読者登録1,000件してるのは。きっとタイトルがずばりそのままだし、「親の遺品整理」という案件を気にかかっているからかも。舅がなくなって団地に引っ越した姑。3DKに物があふれ出て、舅のウールの重い背広には誇りが溜まっている状態(わかるー)。鍋や鞄も何人家族?!。団地の家賃をいつまでも払うわけにはいかない。期限付きで片付ける主人公にアドバイスしたくなります。「もう全部捨てちゃえ」。でも途中からは、姑の団地での生活ぶりもわかって、今度は自分の亡き母の話になるのも、いい感じでした。必読ですよ。
読了日:03月11日 著者:垣谷 美雨
https://bookmeter.com/books/13503522
■リベンジ・ホテル (講談社文庫)
江上さんというと、銀行物の硬いイメージでしたが。今作は「つぶれかけたホテルの再建」がテーマ。融資を渋る銀行話のエッセンスもあり、さっくりした分かりやすい内容。「できない理由を考えるより、できる理由を考えよう」。ホテルの従業員が、徐々に団結してアイディアを出していく。その過程が生き生きしています。灯台下暗しのごとく、まず地元との交流を深め、利用してもらうアイディア。ホテルの宴会場を仕切って、会議室のように使ってもらったり、地元のコーヒー店主の講座を開いたり。新人・心平がめげずに奮闘する姿も頼もしかったです。
読了日:03月15日 著者:江上 剛
https://bookmeter.com/books/4656310
■襷を我が手に
所属チームの休部から、大学の指導者になった朱里。それも新設された女子大の駅伝部。指導者も部員も1年生状態の中、少しずつ手ごたえを感じながら、進んだり交代していく様がいい。現役時代の経験を生かしたアドバイスが、いまいち響かないもどかしさが、わかる気がする。「カントクの仕事は準備。後は選手に委ねるのみ」。朱里の恩師の言葉は、子供の成長を見守る親にも当てはまりそう。犬おばさんこと大学理事長の「どいとくなはれ!」な、強烈キャラが個性的だなあ。「襷を、君に」と比べると7割かな読み応えは。指導者目線の内容が、新鮮。
読了日:03月18日 著者:蓮見恭子
https://bookmeter.com/books/12451862
■ほんとうの味方のつくりかた (単行本)
「味方の支えがなければ、翼のない鳥のようで、いくらはばたこうとしても空を自由に飛ぶことはできない」。確かにそうだ。人は一人では生きていけない。じゃあ、その味方をどうやって作るのか。それは自分の内面を磨いてからこそ、できるのではないか。お互いにリスペクトできなきゃ、それは「依存」でしかない。 人の輪に履いて散くのが苦手な私。いくつか出来てないな、と思う箇所がありました。①相手の話を最後まで聞きすべてを信じる。「何で?」とは聞かない。②女性は髪と髪型が整っていれば綺麗。③今日という日は明日のためにある。良作。
読了日:03月20日 著者:松浦 弥太郎
https://bookmeter.com/books/7993783
■アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)
短編集かなと思って読み始めたら。おお?これって微妙につながってるじゃん。何回も前を読み返しました。それが苦にならない面白さ。人間の出会いって、人のつながりから生まれていくと全編を通じて感じました。好きな章は「ライトヘビー」のボクサー。彼の話が終盤で全部のエピソードにつながるのが”おお!”。「ドクメンタ」の男性の「5年に一度会う女」も、着眼点がナイス。確かに私も5年に一度、こんな風に会っている人いるのかもなあ、って。今年映画になるそうですが、このちょいややこしい人間関係を、どう描くのか。ちょっと気になるな
読了日:03月23日 著者:伊坂 幸太郎
https://bookmeter.com/books/12136344
■くろちゃんとツマと私
本紹介に「一匹のネコがもたらす悲喜こもごも」とあったので。伸坊さんと猫の話=猫本かと思ったら。「子猫のくろちゃん、ツマは妻。そして私=著者。これが著者の家族のすべてであり、生活のすべて」な伸坊さんの周辺話だったという。猫成分はあんまりないじゃないかー!と思ったんですが。些細なことでも伸坊さんにかかると、なんかくすっと笑えるなのが結構愉快。①奈良県人はみなどこか鹿らしい感じがあるので「奈良の鹿の何割かは、もと人間だったかも②「お洒落なベレー帽の被り方」教本のモデルはみな女性。ツマと伸坊さんのやり取りも、楽し
読了日:03月25日 著者:南 伸坊
https://bookmeter.com/books/12771751
■メッセージ&フォト 今日もていねいに。
枕元に置いておいて。一日の終わりに、思い当たる箇所を読んで眠りにつく。そんな読み方もいいかもしれない。内容的には「人生訓」に分類だけど、耳元で「大丈夫だよ」とささやかれるような。優しさに包まれる内容でした。それに添えられる写真(著者撮影)や、英語のことわざがいいエスプリになってる。一番胸にきたのは『弱いのがあたりまえ』。心がふさぎ込んだら、ゆっくり休むのが先決。休むことを悪いことだと思わないこと。たっぷり休めば、ゆっくり元気になっていく--。なぜ私の今の気持ちがわかるの?。と、力ももらえました。
読了日:03月27日 著者:松浦 弥太郎
https://bookmeter.com/books/4714533
■東京近江寮食堂 宮崎編: 家族のレシピ (光文社文庫)
妙子と安江の「お節介おばちゃん」ぶりが、なんだか自分を見ているようで?!。親近感がわきました。話としては、①家主の不良娘との同居生活。②郷土料理の味が原因で、結婚は段の危機カップル。③安江と夫の話。①料理は「喜んでもらおうと作るからおいしいと言ってもらえる。そして嬉しくて幸せになる」。耳が痛いなあ(笑)。不良娘がおばちゃんズの料理や話で、少しずつ殻を脱いでいく所が胸アツ。②結婚とは育った味を足して、自分たちの新しい味にすればいい。工夫することは生活の一部だ。③酒癖悪い夫が、妙子にナイスアシストするのもいい
読了日:03月28日 著者:渡辺 淳子
https://bookmeter.com/books/13447176
■割れた誇り ラストライン 2 (文春文庫)
シリーズ2作目が4か月後に出されるとは!。主人公岩倉のキャラ色が結構前面に出てきた感じ。各章の終わりなどの場面展開で出てくる岩倉の心の声。「これでは誰も守れないではないか」って本音だな。新しい相棒として入ってきた川嶋を「あいつはいったい何者?」と岩倉がいぶかしる話。これ目新しい組み合わせ。メインの話の、無罪放免となった男への、周囲の冷たい対応や嫌がらせの話。「推定無罪だったののじゃないのか?」と思いながら読んでいたので、連鎖して起こる事件から目が離せず。まさかの「え”-!」な結末に呆然でした。
読了日:04月01日 著者:堂場 瞬一
https://bookmeter.com/books/13487580
■ニワトリは一度だけ飛べる (朝日文庫)
来客もなく、電話もなく、ファックスも来ない。そんなイノ部屋に異動してきた3人とその上司。そこにオズの魔法使いの話。主人公で妻の実家の介護問題に悩む裕介=臆病なライオン。子供が闘病中の中川=ブリキの木こり。減らず口をたたくバツイチ・羽村=知恵のないカカシ。ますます「???」だったけど。中盤から「みんなで力を合わせれば」なノリが出てきて、面白くなりました。一番行動力がなかった裕介が、周囲に感化されて変わっていく様が。元気出ました。オズ話を盛り込むことで、謎めいたストーリーになった気が。重松節はちょい弱め。
読了日:04月02日 著者:重松 清
https://bookmeter.com/books/13557997
■50代からしたくなるコト、なくていいモノ (単行本)
「50代の~」と年齢層を絞った商品に弱いのは私だけじゃないはず。今作も50代になった岸本さんの私生活あれこれの話。自分が30代くらいからずっと、折を見て著書を手にしています。岸本さんの場合はサラッとしてて、説教じみていないのが毎回好感度大。ネット注文の箱の大きさ、引っ越しを繰り返して20年開けていない箱(他の人)、おしゃれじゃなくて目を守るためのサングラス。同感するところ多数。洋服を処分するかどうかは、「鏡の前で着てみる」。なるほどね。恐ろしや(笑)。両親を看取った介護の話も、知っていて損はない。
読了日:04月05日 著者:岸本 葉子
https://bookmeter.com/books/12484925
■新宿の猫
人間と猫は、どこか似ている。群れを成して生活し、だけどどこか一人っきり。そしてプツンと連絡が取れなくなって、会えなくなる。新宿ゴールデン街にあるスナック「花梨花」での、ボクと夢ちゃんの話。お店のカウンターの仕切りを挟んだ二人が徐々に寄り添っていくストーリーが、どこか切ない。「会う猫みんな本当の私の家族のようで」。そんな夢ちゃんからもらった万年筆で、ボクは「これを使う時は新しい地平に向けて文字を記すとき」と一歩踏み出す場面。きっかけ一つで人は一歩を踏み出すものでしょう。少しばかり年をとった二人の結末もいい
読了日:04月07日 著者:ドリアン助川
https://bookmeter.com/books/13372518
■傑作はまだ
読了日に本屋大賞受賞のニュース(動画サイトで見てた)。ずっと読んでいる作家さんなので、嬉しかったです。瀬尾さんの作品には「悪い人」が出てこず、どこかにあるかもしれない話の切り取り方が入りやすいです。今作は、50歳で町内会や常識を知らずに生きてきた作家が。生物学上の息子がいきなり訪ねてきて同居することで、少しずつ変わっていく様が面白い。人というのは、外部からの刺激がないと溜まった水のように買われない物なのかも。息子のキャラが現代っ子。風でいて、実はしっかりいきいきしているのが気持ちいい。
読了日:04月10日 著者:瀬尾まいこ
https://bookmeter.com/books/13503974
■永遠のおでかけ
大切な人を亡くした経験者は頷き、未経験者にもいつかは来る日を想像する。命には限りがある、永遠にもう会えないことを胸に留めてほしい1冊。余命わずかな父に頼まれたビスケット。これが父への最後のプレゼントになるかもなんて、覚悟しながら面会するってキツイ。私の母の場合は面会に行った翌日に、誰も気づかないまま召されて行ったけど。母なりにそういう思いをさせないようにしたのかも、って感じました。ミリさんの「父の心配をしなくていいんだ。胸のつかえが下りた」と納得する箇所は、正直な気持ちかと。生きているうちに語らい、笑おう
読了日:04月14日 著者:益田 ミリ
https://bookmeter.com/books/12540618
■水曜日の手紙
2018.12.6で終了したプロジェクト「鮫ケ浦水曜郵便局」をモチーフにしたフィクションとありました。へー。大好きな森沢さん作品なので手にしましたが。実際にもこの話のようなことがあったかも!と思う内容。直美が日頃のうっ憤を「自分だけの手帳に書いていく」って、私も似たような事してた。洋輝も先にフリーになった友人をうらやましく思う。隣の芝がとても青く見えるのは、みんなそうだよね。「愚痴ばっかり言っているうちに」人生終わるなんて。がーん、いやだ。手紙って書く時間・出すまで時間を、考える時間に充てられるからいい
読了日:04月18日 著者:森沢 明夫
https://bookmeter.com/books/13287448
■ひよっこ社労士のヒナコ
私は社会人生活の大半を、総務係で過ごしました。なので懐かしい単語が盛りだくさんでとても興味深い。①社会保険料は4~6月の給料平均で決まる②退職時の離職票に「自己都合」と書くか「会社都合と書くか」③年末調整には、個人情報が盛りだくさん等。「なぜ自分でできる仕事を社労士に頼むのかな」と当時は思ってたけど、小さな会社ではそれ専門の社員を雇うよりはコスト安いし専門家だし。主人公の雛子は、行く先々で「先生」と呼ばれプレッシャーを感じながらも、得意歳の裏の顔を見極めアドバイスしていく所がナイスでした。面白かったなあ。
読了日:04月20日 著者:水生 大海
https://bookmeter.com/books/12369016
■50代から、いい人生を生きる人
最近やけに本書のような「人生訓」の本を手に取っている。なぜだろうと思って気付いた。50歳も過ぎると、自分を叱咤激励してくれる人が少なくなったからかもと。なにが幸福か不孝かなんで終わってみなきゃわからない(愛子)。人生はそんなに我慢ばかりする場所ではない、何歳でもやり直せる(寂聴)。人間は体を動かしながら考えることができないので、身体を動かしてみる(日野原)。自分の目の前にあるものを愛せばいい(山田)。隠居は年寄りのけじめというメイコさんの言葉は、新鮮でした。
読了日:04月20日 著者:
https://bookmeter.com/books/12224975
■親が死ぬまでに一緒に食べたい35のごはん
日々の中で幸せに感じるものの上位に「家族で語らいながらご飯を食べること」が挙がるでしょう。本作のタイトルから親を亡くす悲しい話かな、と思ったけど。そうじゃない話も多かったのがいい。認知症が進んだ母に「今年も梅干し送ってくれる?」と話しかけると、「塩分控えめだから毎日食べれるよ」と返事をする話。父が倒れたのをきっかけに、息子がお店の名物コロッケを継ぐ話。伴侶を亡くして元気のない父を、息子がお寿司屋さんで励ます話。お父さんの命日は餃子パーティーの話。どれも「そうだよねえ」と頷きました。さあ私は父と何が食べたい
読了日:04月23日 著者:親孝行ごはん研究会
https://bookmeter.com/books/1645951
■両刃の斧 (中公文庫)
15年前に長女を何者かに殺害され、次女を白血病で失った柴崎。まさか柴崎が容疑者に。世話になった警察官たちは、納得いかない。柴崎は一貫して取り調べに黙秘って、そりゃあ相手の手の内は知り尽くしているもんね。家族ぐるみの付き合いだった川澄が、15年前の事件を調べるうちにいろんな「怪しいやつ」に出会います。だけどそれがことごとく外れていくのが、ますます深まる謎。そもそも柴崎はなぜ黙秘するのか。事件の話と並行した、「それぞれの家族への思い」がキーワードになっているのが面白かったです。
読了日:04月27日 著者:大門 剛明
https://bookmeter.com/books/13445776
■夜廻り猫(5) (ワイドKC)
「幸せにしてもらったのは、私達なの」。わかるよその気持ち。飼い主飼い猫の枠を超えて、大切な存在。この話の猫さんがうちのキジトラちゃんにそっくりで余計グッときました。平蔵の出番はちょっと控え目だけど。人間の胸にある涙のにおいエピソード満載で、書店で探した甲斐があった♪。「写真に残せなかったけど、心で覚えている」。スマホで簡単に撮れる今に、問題提起を感じました。時間の秋発売、すでに楽しみ!
読了日:04月29日 著者:深谷 かほる
https://bookmeter.com/books/13718785
■世界一やせる走り方
4年前出版ですが。フィジカルトレーナー・フィットネストレーナーの著者本とあって。ただ適当に走っている私には、食事面や走る心がけなど実にジャストミート。「あなたについた脂肪は、何年もかけて積み重ねた食生活や運動習慣によってできたもの」ど、どきーん!。「我慢するのではなく、まず何も考えずに口に物を放りこむ習慣をなくす」。が、がーん!!。だけど「三日坊主も何回も繰り返せば大丈夫」。走る”習慣づけ”から始めようかと、元気をもらいましたナイスな1冊。よく本屋で見つけたなあ。
読了日:05月01日 著者:中野ジェームズ修一
https://bookmeter.com/books/9269992
■答えのない道徳の問題 どう解く?
SNS友達の書き込みで興味を持ち借りました。児童書区分。子供の頃は「ねえ、どうして?」と親を質問攻めにしたけど。親の立場になったらわかった。素朴な実門だから、答えられない。①「将来何になりたいの?」って、どうして大人は聞かれないの? ②学校で友達とすごす時間8時間・家で家族と過ごす時間3時間。「大好きな家族が一番一緒にいられないのはどうして? ③ケンカをすると先生に怒られるのに、国と国のケンカはどうして怒られないの?。④ネット上の友達と学校の友達、どっちが本当の友達っていえるの?。--。うー、難しいなあ。
読了日:05月01日 著者:山﨑 博司,木村 洋,二澤平 治仁
https://bookmeter.com/books/12686398
■宴の前 (単行本)
春に統一地方選挙があったところに、この「知事選」本。タイムリーに選んだ感じ。①現職知事・安川②知事選に名乗りを上げた元メダリスト・涼子③地元新聞「民報」④それぞれの関係者。この4つを軸に交互に話が進んでいくのが、一気読みする面白さ。私の住む県も、現職知事&元副知事&共産と3人の候補が出て。もしかしたらこの作品のような、水面下でのやり取りがあったかもって考えちゃいました。選挙で有利なのは「知名度」。それをどう生かすか。選挙という「宴」の前の出来事がメインに来て、最後はそうくるか!とやられました。
読了日:05月04日 著者:堂場 瞬一
https://bookmeter.com/books/13107236
■がんこスーパー (ハルキ文庫)
肩たたき(死語かも)にあって、早期退職→引き抜き転職。のはずがなぜかスーパーの副店長に派遣され。「そんなばかな」なんて落ち込んではいられない。転がる石はいつか丸くなるように。主人公・一成が職場やご近所さんたちに助けられて、少しずつ「お仕事バージョン」UPしていく様が気持ちいい。一人で新しいアイディアは生まれない。スーパーのパートさんたちの心をつかみ、地域農家のおじいちゃん・おばあちゃんたちも巻き込んでいく展開。「規格外だからがんこな野菜」。なるほどね。底辺からの大逆転していく所が、スカッとする作品でした
読了日:05月11日 著者:山本甲士
https://bookmeter.com/books/13197701
■人生の終いじたく だって気になるじゃない、死んだ後のこと。
いつもニコニコ元気印のイメージなメイコさん(1934生)。文中に出てくる黒柳徹子さん(1933生)、美空ひばりさん(1937生、52歳没)。TVが元気だったあの世代の方で、2歳でデビューの芸能生活80年越え!。2010年出版の本。70歳半ばで「どういう最後を迎えたい」か。それはタレントとしてではなく、一人の女性として同じような思いを持つ方は多いかもしれない。「自分の最後はひっそりと」。メイコさんの家族一人一人に宛てた、思いや願い。同じ子供でもそれぞれ母の気持ちは違う。娘婿・杉本哲太さんとの逸話も、いい按配
読了日:05月13日 著者:中村 メイコ
https://bookmeter.com/books/949678
■それでも空は青い
タイトルのフレーズが出てくるのは、最初と最後の短編だけ。7つの話がそれぞれ別の話な、完全なる短編集。ここまで潔いのは久しぶりかも。お気に入りを挙げるとすると。「僕と彼女と牛男のレシピ」。7歳年上の彼女と、交際する一歩手前のバーテンダーの話。牛男が実は息子の名前(正しくは潮)っていうのもひねってあるし。バーテンダーはサッカー好き&潮は野球好きと盛り上がらないのもあちゃーな感じ。そこからバーテンダーが奮起して潮に歩み寄っていく様がいい感じ。家族ってなんだ?な答えがなるほどと考えました。
読了日:05月17日 著者:荻原 浩
https://bookmeter.com/books/13212670
■検事の信義
待ってました佐方シリーズ。アンソロジーに掲載された短編もあったけど。「誰も気づかないちょっとした事」を見つけ、考え調べていく佐方の仕事ぶり。時に事務官・増田の視点から展開するストーリーが、より話を客観的に読め、そこが面白い。表題作が一番お気に入り。佐方は刑事部から回ってきた案件を起訴する公判部所属。だけどそんなの関係ない。「なぜ被告は犯行後2時間の間に、5キロしか移動しなかったのか?」。増田を伴い調べていく様は、残り少ないページにやきもきしたけど。予測しなかった結果にホロリ。「罪をまっとうに裁く」。信念だ
読了日:05月18日 著者:柚月裕子
https://bookmeter.com/books/13609288
■クロワッサン 2018年8/25号 No.979[あの本を、もういちど。]
あまり読みたい本は、なかった。
読了日:05月20日 著者:
https://bookmeter.com/books/13063569
■ダ・ヴィンチ 2018年7月号
湊さん特集。すごいなあ。私は白湊さんが好き。
読了日:05月20日 著者:
https://bookmeter.com/books/12895129
■ダ・ヴィンチ 2018年10月号
ヤスケンさんの魅力たっぷりで大満足~。読みたい本多し。
読了日:05月20日 著者:
https://bookmeter.com/books/13107907
■アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン
よ!待ってましたよ。東京バンドワゴン。毎年新しい登場人物が出てきて、人物相関図が見開き2頁までに拡大してきたけど。9年経った今作(途中番外編があるため)いよいよ。サチさんの「涙は悲しくても嬉しくても出てくる。それは別れも出会いも同じ一つの巡り合わせ」。そうなんだよねえ。春夏秋冬それぞれの章で、家族や仲間にいろんなことが起こり。勘一をはじめ皆で解決していく。毎回冒頭でみんな一緒の朝食。勘一のトマトにワサビ等毎回笑いありなのが、ちょっとうらやましいかな。徐々に世代交代が始まった堀田家のこれからも目が離せません
読了日:05月22日 著者:小路 幸也
https://bookmeter.com/books/13674740
■キャベツ炒めに捧ぐ
読メで人気作だったので手に取りました。意外に初読。女3人集まれば、大抵もめ事等ドロドロになるのが世の常ですが。アラ還レディ(にしておこう)は、総菜屋「ここ家」の仲間。なんやかんや一、わいわい集っているのがいい。「食べることが楽しい=生きることがそれなりに楽しい」。それに尽きるかな。それぞれ離婚・死別・未婚jな過去の話も途中挟み。だけどそれが重苦しくない。互いちょっと過去の話は気になるけれど。さらりとかわすのがレディの心得。「61歳の酸いも甘いも噛分けた女にしかできない、円熟の微笑み」。なるほど。
読了日:05月24日 著者:井上 荒野
https://bookmeter.com/books/4107806
■みかづき
長く積読にしていた自分に喝!。そのボリュームに気が引けていたのですが、とても読みやすい。大島家3代にわたる塾の話。登場人物が少ないので戸惑いません。実は学習塾に行ったことがなく(塾が地元になかった)。なるほどなあと今更ながら、塾のいい所・改善点などを客観的に見れました。最初は千明のブルトーザー型突進ぶりが目立つけど。時折流れゆく時代背景が織り込まれていて。もしかしたらノンフィクション?と思うほど。「子供たちに教えるという事」とは何か。塾経営というお仕事的側面や、家族間の関係。飽きることなく読了しました。
読了日:05月29日 著者:森 絵都
https://bookmeter.com/books/11107601
■ダ・ヴィンチ 2018年6月号
柚月裕子さん特集。とても興味深く、なぜあそこまで武骨な作品ができるのかが、少し垣間見れたような。読みたい本も多数。1年前の雑誌だと、図書館でも入手できる本が見つけられるので助かる。これからそうしよう。漫画特集が近頃多いので、買うまでではないかな。個人的に。
読了日:05月31日 著者:
https://bookmeter.com/books/12828568
■自薦 THE どんでん返し2 (双葉文庫)
「THE どんでん返し」って、何となく怖い・救いがたい終わり方の作品かな、と思って開いたら。さほどではありませんでした。ソフトというか。印象的だったのは、まず坂木司さん「勝負」。バスの後者ボタンを巡る話って、大人あるある話からそう終わるのね!とサラッとしてました。原稿用紙6枚分で読ませるのはさすが。近藤史恵さんの「降霊会」は、学祭の展示室で「降霊会」ってなんだかなーと思いつつ、途中なんだと思わせておいての、ジトっとした終わり方。これが一番「どんでん返し」っぽかったかな。
読了日:06月03日 著者:乾 くるみ,大崎 梢,加納 朋子,近藤 史恵,坂木 司,若竹 七海
https://bookmeter.com/books/11302586
■傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考
昔法要等で住職さんのお話を聞くと、なるほどなあってことが多々ありました。まさにあの感覚。わかりやすくて読みやすいし、自分の弱い所をいくつも指摘されました。また禅語や歴史の偉人をモチーフにしているのも面白い(禅語という単語を今回知った)。「放下着(ほうげじゃく)」=捨ててしまいなさい。捨てるべきは比べる心。捨てることで自分を見つめる時間が増える。「柔軟心(にゅうなんしん)」=心を解きほぐすのは自分。どうにかなるさの心。「和顔(わがん)」=和やかな表情にはお布施と同じ効力。他にも頷く子t場がたくさんありました
読了日:06月05日 著者:枡野 俊明
https://bookmeter.com/books/11772011
■ひかりの魔女 にゅうめんの巻 (双葉文庫)
前作を読んだのが3年前。とても面白かったことを覚えていました。ひかりおばあちゃんは、タイトルに名前はあるけど。映画のエンドロールで言うと、一番最後に出てくる役割。春夏秋冬に分かれた4章にはそれぞれ主人公がいて、もれなく「現在残念賞」な日々を過ごしているのが「あるある」。主人公たちは偶然ひかりおばあちゃんと出会い、おばあちゃん繋がりの人たちに助けられていく。そう人っていつもどこかで誰かに助けられ、その恩をまた誰かに渡していくものなのよね。「どんな小さなことでも褒めて育てる」「さらりと気を遣う」。ほっこり大賞
読了日:06月10日 著者:山本 甲士
https://bookmeter.com/books/13665462
■今日も一日きみを見てた
本の存在は知っていたし、角田さんの作品も好きな、猫飼い主な私。なのに「所詮自分ちの猫自慢でしょ」と思っていた自分にゲンコツ!。猫紀元前=BC(Before Cat)、猫紀元後=AC(After Cat).なるほどねー、この境目は大きい。新しい家族が増えたんだもの、生活も猫に対する考えも一変しちゃう。夫にしか抱っこさせないとか、人間が喜ぶと思って買ったおもちゃに知らんぷり、猫が心配で飲み会を早退したり、ひとりで留守番させるともう心配度MAX・・・。 直木賞作家も、猫の前では私たちと同じ。西原さんの話もいい
読了日:06月11日 著者:角田 光代
https://bookmeter.com/books/9280665
■この雨が上がる頃
約40頁ほどの短編集×7作。どれも切れ味鋭く、オセロの石が一瞬で真っ黒にひっくり返ってしまう。そんな印象です。「そんな結末って?!」と驚くけれど、イヤミスのような後味悪さはない。「プロポーズは雨の日に」→母を亡くした娘が主人。父に恋人にプロポーズすることを知って、家政婦のおばちゃんとその場に乗り込もうとする話。「記憶と雨とニート」→記憶喪失の女を家で保護してけど、この女は犯罪者?の話。「地検の通り雨」→大門さんらしい、地検の話。県議の贈収賄事件。「雨雲から雷が落ちたのかというような衝撃」な結末。なるほど。
読了日:06月13日 著者:大門 剛明
https://bookmeter.com/books/7841404
■おっさんたちの黄昏商店街
初独著者さん。タイトルと帯のあらすじに惹かれて移動図書館で借りました。昭和は遠くになりにけり、って感じで。65才の「おっさん」たちが、元公務員や忍者?な経験を生かしつつ。少しずつ商店街を活気づけていく流れなのですが。どうも各章、びしっと着地しないまま終わっていくのです。後はみんなで考えましょう的な。昨今の「おっさん」ブームで、ちょっとよく似た話あったよなーな感じもあり。読みやすかったんですが、グッとは来なかったのが残念。というより、このラストはいったいどうなるの?次巻があるのか?!すっきりしなかったよ(泣
読了日:06月16日 著者:池永陽
https://bookmeter.com/books/13481196
■おとなのきほん 自分の殻を破る方法
「僕は今51歳、50代の新人です」。私も51才。すべてが後退している中、新人と思えばまだまだ何かできそうな気がして来た。「決して若いわけではないけど、老いるのは先」。つまり何かを始められるチャンスは今ってことかな。「チャンスは他人が運んでくるもの」。そういえばここ最近新しい出会いって、避けているかもなー。同じ仲間だけじゃ成長しない。「四十肩は、これからは不摂生や無理をしてはいけないよ、な教え」。身体のSOSをしっかりと聞くのも、大切だ、自分しかわからないから。「やらないことを決める」。心の断捨離かな。
読了日:06月20日 著者:松浦 弥太郎
https://bookmeter.com/books/12184737
■物語のおわり
白湊な作品。他の方も書かれてますが。短編集なのに、ちょっと連作っぽいところもあるからか、ずっしり長編を読んだ気分。。何かしら寂しい心・諦めた心を持つ人々が、偶然「空の彼方」を手にすることで。その世界に引き込まれ、自分だったらどうすると投影し、次の一歩曽踏み出していく所がスッキリします。いろんな状況の人達が出てくるので。後半は「どこで空の彼方を手にするの?」と、ドキドキもしたし。ラストの章は、その落ちに気づいたときは驚きましたね。さすが湊さん、脱帽。湊作品で、一番好きかも。
読了日:06月20日 著者:湊 かなえ
https://bookmeter.com/books/8317148
■ねじれびと
一言「ねじれすぎてるやろー!」。原さん著書なので、気楽に読み始めたのですが・・・。それぞれ追い詰められていく主人公たちが、最後の悪い奴はどれも・・・。やーめーてー!な終わり方に呆然。灯台下暗し。短編だからこそ生きてくる話の組み方&もしかしたら自分にも起こりうるかもな内容でした。最後の「ロング・ロング・ウェイ」は、唯一救われたかな。サスペンスチックながら、最後はいい意味で目子れたました。ユーミンの「中央フリーウェイ」が頭の中をぐるぐる回ったのは、50OVERな方かな。原さんの「こっち」な作品も読みたい。
読了日:06月25日 著者:原宏一
https://bookmeter.com/books/13177734
■炎天夢 東京湾臨海署安積班
今回は長編。できれば一気に読むのをおすすめ。殺人が起きて帳場が立ち。いろんな人が安積の周りを動くから。事件を解決に導くためには、やはり「安積班」の力が必要。捜査本部で散っていながらも、安積のそれぞれの力を発揮。読んだことある方は、あのキャラが!なところも満載。このシリーズ、安積が主人公。「安積はそう覆った」と安積の視線から冷静に描かれているので、話に入りやすいのでしょう。ミステリーというよりは、警察人間模様。帯にシリーズの紹介があって。どこから読んだっけな?等、昔を思い出しました。
読了日:07月12日 著者:今野敏
https://bookmeter.com/books/13762806
■アロワナを愛した容疑者 警視庁いきもの係
今回の捜査対象はアロワナ、タカ、ラン。そういえば鼻って出てきたかなあ、と思ったら。「動植物管理係=植物も対象」ときましたか。相変わらず斜め上を行く薄(うすき)巡査の行動に振り回されている須藤ですが。今作は、薄のなかなかいい所を突く考えが光ってます。ランはカーテン等を挟む=直接日光をあてないことをヒントに、事故死を他殺とするなど。真面目な警察物な点もありました。本の参考資料に、「NHK趣味の園芸 洋ランの育て方」を見つけました。すごいな。
読了日:07月14日 著者:大倉 崇裕
https://bookmeter.com/books/13765587
■もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた: NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。 (NHKネコメンタリー 猫も、杓子も。)
人気作家も、猫には形無し。って感じかな。「すごくつらい時があっても、猫にご飯をあげる」「旅行の途中、子猫が気になって旅行中止」。ねこあるある(私もした)。中でも吉田修一さんの「犬みたいに働くわけじゃなし、猫ってどこがいいの?という言いかたをする人は、その心でいる限りわからない。説明できないことが大切」は、なるほどなーと。村山さんの猫が、村山さんに書いた設定の手紙。猫心がわかってるねー。仕事の話もあるので、猫好きかつ著者ファンの方は。一読の価値あり。
読了日:07月16日 著者:角田 光代,吉田 修一,村山 由佳,柚月 裕子,保坂 和志,養老 孟司
https://bookmeter.com/books/13575696
■風が強く吹いている (新潮文庫)
「不可能と思えることも、10人集まればもしかして」。灰二と走(かける)以外は、陸上未経験者。たまたま同じ「竹青荘」の住人になった10人が、箱根駅伝に挑戦するって。マジですか?と驚きながら読み始めました。エントリーギリギリの10人が、互いに補い励ましていく。若いって何でもできるんだよ。そんな風にいつの間にか一緒に応援していました。まさかの本選で、走者それぞれがメインで話が進んでいく所も、読む手が止まりません。「できる」と思い込める力が、彼らの実力のものを生み出していたのかもしれません。
読了日:07月20日 著者:三浦 しをん
https://bookmeter.com/books/578430
■20 (実業之日本社文庫)
マウンド上のルーキ。ノーヒットノーラン、達成できる、か?。この疑問符が作品の味。普通だとみんなハラハラドキドキなのに。ピッチャー有原は「僕でいいんですか?」と気弱だし、ノーコンすぎてリードが取れない。ただたまに、154キロの速球が出るのが予測不可能でここまで来たって感じ。ええー?!。「しっかりしろー!」と野次りたくもなる。そんな有原を囲むチームメイトや対戦相手、球場前の中華料理店など。いろんな人のエピソードが挿入されているのがナイス。ノーノー試合は達成できるのか。それは読んでのお楽しみ
読了日:07月24日 著者:堂場 瞬一
https://bookmeter.com/books/7376595
■猫も老人も、役立たずでけっこう: NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。 (NHKネコメンタリー 猫も、杓子も。)
養老先生のこの番組。見た覚えはあるんです。味のある老猫・まるも出てたし。だけど内容を覚えていなくて、新鮮に読みました。猫を前面に出しているようで、実際は養老先生の「老い」や「今の現代を憂う」話。時々「まる」を見てごらんなさいと、出てくる感じかな。「今よりよくなりたいですか?。まるを見ていればわかる。あの程度でいいんじゃないのって」。「虫をどう取るかなんて教えない。それは自分で見つけることで、生き方を発見していくことと同じ」。「夫婦が折り合わないのは、それxぞれの個性があるから。折り合う部分を心と言う」。
読了日:08月14日 著者:養老孟司
https://bookmeter.com/books/13208445
■キリの理容室
読了日:08月14日 著者:上野 歩
https://bookmeter.com/books/12747052
■仏果を得ず
読了日:08月14日 著者:三浦 しをん
https://bookmeter.com/books/578434
■山女日記
読了日:08月15日 著者:湊 かなえ
https://bookmeter.com/books/8159293
■たそがれどきに見つけたもの
帯にあった「気づいたらけっこう“いいとし”になっちゃってたんだ。でもまだ大丈夫、もう少しいける」。その通り、ジャストミート!。私が51歳なんて自分自身が信じられない。脳内は30代のままなのにな・・・。そう思っている同世代なら、6編の中のどこかに自分自身を見つけるかも。1作あたり50頁弱で繋がらない短編集って、不完全燃焼が多いけど。
ほぼどれもぎゅっと濃縮された内容。「親を看取る」話が随所にあったのもうなづける。その日が来た人、まだ先だろう今のうちにと思う人。別れはいつって期限がない。ナイスなフレーズも。
読了日:08月16日 著者:朝倉 かすみ
https://bookmeter.com/books/10167299
■教場2
読了日:08月23日 著者:長岡 弘樹
https://bookmeter.com/books/10417969
■教場0: 刑事指導官・風間公親
タイトルに鬼教官・風間の名前が付いているので、風間の現場時代の話かと思いきや。ここでも「風間道場」と呼ばれる、各署3ヶ月刑事が指導を受ける話。主人公はそれぞれにいて、「答えられないなら、私が“交番転属願”を書いてやる」と風間が焚きつける。影の主人公っていう位置付けが、このシリーズの良さ。最初にそれくらい緊張しながらも、事件に臨めってところかな。新人だからなんて、一般市民には通用しない。内容的には現場が舞台なので、警察小説色が強く。これだけでも読めます。で最後気付く。「0」のタイトルの意味を。ゾゾーでした。
読了日:08月23日 著者:長岡 弘樹
https://bookmeter.com/books/12212786
■早朝始発の殺風景
初読。本編では繋がらない短編集なので、少しずつさっくり読めました。登場人物が学生等皆若く、ちょっとした謎解きの進め方も好感度大。『夢の国には観覧車がない』では、高校の部活引退記念で、男子部員の先輩常敗が観覧車に乗る話。なぜ後輩は近くの「夢の国」(ディズニー)じゃなく、この地味な遊園地を選んだのか。言われてみればそうだな!と、観覧車が苦手な私もうなづきました。高いところはすべてお見通しってこと。『捨て猫と兄妹喧嘩』は、両親の離婚で離れ離れになった兄妹の話。妹鋭いなー、猫を置いていったのが誰かズバリ見抜いた。
読了日:08月26日 著者:青崎 有吾
https://bookmeter.com/books/13314205
■Mattyのまいにち解毒生活 太らない、疲れない、病気にならない。 (講談社の実用BOOK)
ざっくりほぼ文章で書かれているので。ふーんな感じはありますが、「解毒」つまり排出するためのアドバイス。ちょっと参考になり簡単だったので。ま、今晩の入浴から実行してみようかな。
読了日:08月27日 著者:Matty
https://bookmeter.com/books/11260866
■家族終了
「家族とは、いつか数が減っていくもの」。この数年思ってました、きっかけは炊飯器。もう5合炊きなんて使わないなあって。そこにこの本を見つけ、さすがの視点がジャストミートしました。最初は自身の家族の話から、嫁姑問題のうつりかわり(最近は「お嫁ちゃん」の言葉を見かける)。昭和から令和になった今、「時代の変化は早いものよ」と隔世の感満載。家族という言葉も、もう「族」じゃないしってナルホド!。家族の世話をすること=自分に返ってくる愛情、今では掛け捨て。親を看取る世代の私達や、家族関係に息苦しさを感じる30代。ぜひ。
読了日:08月30日 著者:酒井 順子
https://bookmeter.com/books/13612305
■旧友再会
シゲマツ節が帰ってきた!。子供時代を昭和で過ごした、50代の私たち。親も老いて自分の身の振り方も考える世代に、ジャストミートです。短編4編(うち1編は過去のアンソロジー本に収録)、中編1編。少しずつ読めるし、どこかに昔の自分がいるような話たち。なかでも『どしゃぶり』。中学の野球部は弱小ゆえに、部員で話し合ってみんなが出場できるように交代制の、かつリーグ戦。そういえば今の子供事情は、「みんなで並んで一等賞」っていう運動会って聞いたことあったっけ。監督の怪我で来た臨時コーチの方針は、私は賛成。おススメ作品。
読了日:09月01日 著者:重松 清
https://bookmeter.com/books/13888782
■趣味で腹いっぱい
初読。人を介して出会った男女が、夫婦になって家庭を作る。二人だけの生活に「趣味」が加わる。最初はちょっと作風に慣れずに眠かったけど。気がついたら読み終わってました。「趣味を生活の糧にする」って難しいけど、お互いの趣味が交差して、成長していく展開が面白いです。夫婦の絆を深めた感じ。「家庭菜園で種を蒔き育てるのは、子供と似ているかなあ」「趣味って悲しい出来事があった時に、役に立つ。癒されることがある」「社会を回しているのは仕事だけじゃない。趣味人だって」。なるほどね。共通の趣味がなくてもいいんだよね。
読了日:09月06日 著者:山崎ナオコーラ
https://bookmeter.com/books/13486301
■希望荘
実は宮部さんの著書、分厚くて&難しそうで。ちょっと避けていた自分に、空手チョップ!。1作めを読んだのははるか昔。なのでいきなり4作め読むのは・・・無謀じゃなかった。中編4作の中で、過去の話が織り交ぜて出てくるのがいいじゃないですか。主人公・杉村三郎の、調査対象者や依頼者に寄り添う姿。警察物ではない展開が新鮮。だけどそれぞれの出来事がパズルのように、カチッとはまっていく様。サスペンスというよりは、謎解きって感じ。「端からボロボロ崩れ、人としての輪郭を失っていく」。随所に唸るフレーズも多々。面白かったです。
読了日:09月09日 著者:宮部 みゆき
https://bookmeter.com/books/10988598
■ひと
天涯孤独になった主人公・聖輔が、毎日こつこつ生きるために働き。その過程で出会った人たちと、少しずつ距離を縮めながら過ごす1年を、季節の移り変わりで区切って進む話。会話が中心で淡々とした内容だけど、応援したくなる親世代だからか。引き込まれました。随所にシンプルでキラッと光る言葉もあって、好感度大。「レンジで温めたものはできたてとは言わない。本物のできたては、熱いのだ」。「人と握手するって、温かい。久しぶりに思い出した」。温かさを感じれるって、いいよね。「聖輔、いつだって頼っていいだぞ」。そう、みんな見てる。
読了日:09月11日 著者:小野寺 史宜
https://bookmeter.com/books/12776587
■山手線謎日和 (ハルキ文庫)
いわゆる鉄道小説には分類される気はするけど。「経理の森若さん」が出版社の営業になった感じかなあ。キャラ的に。地方に住んでいるので、東京環内の鉄道ネタはわからないなりに、少々の謎解きもあって興味深かったです。ちょっと新しい分野小説。山手線にも駅そばが各所あるのね。うー食べたい!。
読了日:09月16日 著者:知野みさき
https://bookmeter.com/books/12547931
■完全無罪 (講談社文庫)
かつて巻き込まれた事件の“犯人”と裁かれた平山を、再審で無罪にする案件を請け負った弁護士・千紗。なのに冒頭から『私はあなたを助けに来たわけじゃない』。ええー、弁護士なのに?!。その設定が興味深い。千紗の視線と事件の担当だった元刑事の視線。交互に書かれていて、ぐいぐい引っ張られました。千紗が過去のトラウマに苦しみながらも、事件の真相を調べていくのがスリリング。真犯人は誰なのかそれとも、やっぱり平山が犯人なのか。最後の最後までわからない、そして「えーー!」と最後も驚かされた良作でした。
読了日:09月18日 著者:大門 剛明
https://bookmeter.com/books/13366960
■ブロードキャスト
「黒」でも「白」でもない、湊作品。サクサク読めてあっという間。陸上部(少し)物は読んだことあるけど、放送部(ほぼこれ)小説って、初めてかも。私の同級生が長く高校の放送部顧問をしているので、なるほどなーって。それとラジオをよく聞くのでその辺も、さらっと読めたのかな。声って生まれ持った物だから、「惚れる声」の持ち主って、それだけで才能だよね。最後は最初の話をうまく持ってきてまとまってました。ただ湊さんが書く作品じゃないかなあ。
読了日:09月21日 著者:湊 かなえ
https://bookmeter.com/books/13037114
■さよならドビュッシー
このミス大賞作品っていうのは知ってたけど。タイトル的にクラッシックの話なら、わからんだろうなあ・・・。と思って未読だった自分に喝!。家事で家族を亡くし、自分も重傷を負ったピアニストの卵。そこに事件性はあるのか?。よくある設定だけど。主人公が執刀医や、元司法修習生でピアノ講師・岬の助言のもと、成長する話が引き込まれました。終盤のピアノコンクール向けての箇所は、ピアノ用語も気にならずサクッと読めるのがいい。置いてけぼり感なし。そうかー、そうなのねー。と思って読み終える直前の衝撃。ヤラレタ!。おススメ。
読了日:09月23日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/305786
■政治的に正しい警察小説 (小学館文庫)
初読。タイトルと表紙から、すっかり「警察小説」かと思いきや。違いますやん!。冒頭作は親の子への暴力的話から始まるので、なんだかなあ・・・と思ったらその結末にびっくり。6作の短編集ほぼどれもが「起、承、転!!、結!!!」と、読み手が作者に踊らされちゃった感満載の展開に、引き込まれました。中でも『リビング・ウィル』。事故で昏睡状態になった祖父の、延命措置をどうするかの話。リビング・ウィル=生前の意思がないまま、さて。家族の話だけならよくあるけど、祖父の脳内意識にもスポットを当てていたのが興味深かったです。
読了日:09月25日 著者:葉真中 顕
https://bookmeter.com/books/12264288
■青春、手遅れ
お金を払っても買えないもの。それが過去。青春と言われる10代に「出来なかったこと」。同世代女子(←この単語が既に年齢に追いついていない)のうなづき多数。「ソーイングセット」は結局教室で男子相手に使うこともなく、先日総じて3セット位出てきたし。「ビックマック」は今では食べたらきっと胃もたれするし。「手作り巾着袋」も「巾着」ってもう言葉自体聞かないし。「あぶらとり紙」も今何処。油分が足りない今日この頃。でもこうやって振り返れる過去の積み重ねで、今の自分があるんだな。気持ちは年齢に追いついてないけどね。
読了日:09月27日 著者:益田 ミリ
https://bookmeter.com/books/553451
■ベリーベリーグッド: レターエッセイ集
時々無性に、松浦さんのエッセイが読みたくなる。そんな時は多分自分の心のどこかが、カサついている時な気がする。ちょっとした潤いエッセンスをもらえた1冊です。「料理上手=暮らし上手」。最近私も思ってました。何を買うか考え、お店で買い、仕分けをして、料理をする。結構頭も使うし、段取りよくしないと時間だけがすぎていく。段取り八分だ、人生も。「嫌いなことや嫌なことは貯めることができて、いつでも、幸せなことを起こすために使える」。これを知れただけでも読んだ価値がありました。他にもいろんなナイスフレーズがたくさん。
読了日:09月28日 著者:松浦 弥太郎
https://bookmeter.com/books/10016845
■盤上の向日葵
「将棋の話だよね。わからんやろ」と思って未読だった自分に喝!。563頁一気読みしちゃいました。序章の対局場面以降、殺人事件捜査の話と育児放棄された少年の話が、各章交互に出てきます。なので飽きない。少年の話はいろんなマイナス要素を背追いながらも、着実に進み大人になっていく。捜査話の時間軸はゆっくり進み、ラストに双方が重なっていく様は圧巻。tvドラマ(4回)になると聞き、どうしても柚月さんの「古臭くて泥臭い人間模様」の作風で読みたくて。正解でした。多少将棋の棋譜の話は出てきたものの、知らなくても十分OK。
読了日:09月30日 著者:柚月 裕子
https://bookmeter.com/books/12119955
■メゾン・ド・ポリス2 退職刑事とエリート警視 (角川文庫)
退職刑事と言いながらも、ストーリーの「起点」が「働き方改革」等現代の問題を扱っていて興味深い。刑事物なんだけど「すいませんねー、木の芽時なんで昔の血が騒ぐみたいで」なんてプッと笑っちゃうところも多いですね。どのおじさんが、元なんだった云々ごっちゃになるんですが。「おじさん」枠で読んでいけば全然OK笑。「疲れたから、チョコレートで糖質上げてるんだ」がツボかしら。各章最初に事件があるので、読む進めるのも楽でした。
読了日:10月03日 著者:加藤 実秋
https://bookmeter.com/books/13066626
■メゾン・ド・ポリス3 退職刑事とテロリスト (角川文庫)
シリーズ初の長編。『諦めるのは、お前だ。俺らがやると言ったら、やるんだ』『現場に着くまでに、事故るから』。ひよりが相変わらず、おじさん達に振り回されながらも。ちょこっと成長しているのがいい。現場に残こされた、微妙な臭い。どこかで・・・を、意外な人物からヒントを得て終盤へと話が進むところ。五感を張っていると思わぬヒントがあるものだね。へー、そんな匂い、知らなかった。『自分の手で文字を書けば、情報が入ってくる。思わぬことに気付いたり、アイディアが浮かんだりするんだ』。ナイスアドバイス。
読了日:10月05日 著者:加藤 実秋
https://bookmeter.com/books/13502656
■泣きたくなったあなたへ
泣きたくなって、涙が出る一歩手前。あの切なさ・虚しさをかんじた時に、横に歩いたり座ったりして背中をさすってくれる。そんなじんわり「温かさ」を感じる一冊。人生訓でもないんだな。そこが好きです。「えばらない、戦わない、自分は最後」「失敗は勇気の証」「言葉は諸刃の剣」「恐れの中で目を開けていく」「さよならは、ありがとう」「自分の痛みは自分が原因」「ゆるすとは前に進むための切符」「一人になりたい時は旅に出る」「すべての源は自分」。若い時には気付けなかった事柄が、今読むとストンと心に入ってきました。ほっこり。
読了日:10月07日 著者:松浦 弥太郎
https://bookmeter.com/books/11774834
■キッチン・ブルー
「食べ物小説がなぜ人気があるのか」。私も大好き分野。その理由がこの作品で分かったような。『食は最大の共通項。取り澄ましていても。必ず何かを食べ、時に食欲に
振り回されている』『人はお腹が空いていれば幸せになれない』。なるほどね。おいしい食事シーンは出てこないのに、食にまつわる「負のアイテム」を逆手にとって、進む話が興味深い。なかでも「さじかげん」。料理教室に通っても、料理が上手になれない主人公。料理ってちょっとしたさじかげんで、味が変わるもの。それに育った環境でも味の感覚は違うし。食卓がない家のシーン納得
読了日:10月10日 著者:遠藤 彩見
https://bookmeter.com/books/9924153
■あの日の親子丼 食堂のおばちゃん(6) (ハルキ文庫)
今作では平成から令和への、時代の移り変わり話も交えながら。はじめ食堂の3人と、常連さんたちとの日々が書かれているのがいい。なかでも通いの万里が、おばちゃん2人をひっぱっていく成長が頼もしい。二三が腹立たしさを、押しずしに力をかける個所がククッときました。一子と二三が、お店が終わってからバーに行くシーン。息抜きも大切だよね。いろんなメニューが出てきましたが。私は「鯖サンド」食べてみたいです。さっくり読めて、いい気分転換になりました。ごちそうさまでした。
読了日:10月12日 著者:山口 恵以子
https://bookmeter.com/books/14083393
■即答力 (朝日文庫)
今までは癒しの松浦さん著書を読んでましたが。今回はビジネス的な内容で興味深かったです。「キャッチボールの上手い人材」「なぜ、なに、なんだろう」「縦社会より横のつながり」。わかりやすい内容なので、社会人なりたての人でもなるほどと思えそう。ひとつすごく同感したのが、なんでも「すみません」って言う風潮。私も以前からモヤモヤしてました。「お願いします」「ありがとうございます」「恐れ入ります」「すみません」。全てを「すみません」で代用するなんて横着&ものぐさで大雑把。いろんな表現がある日本語だからこそ、ちゃんとね。
読了日:10月12日 著者:松浦弥太郎
https://bookmeter.com/books/11031212
■散り椿 (角川文庫)
時代劇小説初挑戦。時代劇映画を最近観初め、「蜩ノ記」の著者さんと知って、小説で読むことにした。最初は多くの登場人物に戸惑いながらも読み進めていくうちに、グイグイ引っ張られました。親の代から続く因縁や、藩を継ぐのは誰だな後継者争い。渦巻く陰謀。そんな状況のなかで、大切な人を守るために自分は何をすべきか。終盤登場人物達がとった行動に納得でした。「武士は私闘のために刀を抜いてはならぬ。刀は義によって振るうものだ」「お主はおのれを殺して生きようとする。それが他の者の生きる道を閉してしまうこともある」。唸る一節。
読了日:10月18日 著者:葉室 麟
https://bookmeter.com/books/9012969
■ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫)
初読。昔高田さんが別名で書いていた漫画原作のノベライズ化だそうで。とても読みやすくその世界観が広がりました。鉄道は人を乗せる。併せていろんな思いも運んでいるいるのだなあとしみじみ。『車窓家族』カーテンをしていない老夫婦の部屋を見つめる人たちの話。それぞれが老夫婦のことを気にかけ、だけど声をかけることはできない。今日はどうしているだろう、そんな重なる思いが温かかったです。『晩夏火』重度の痴呆症だった義母を介護し、見送った主人公。徐々に自分も記憶が抜けているのに気づいた時、息子への手紙。ちょっと身につまされた
読了日:10月20日 著者:高田 郁
https://bookmeter.com/books/7671047
■森崎書店の日々 (小学館文庫)
そこそこの人生だった中で味わう、失望・挫折。そういう時はどうしたらいいのだろう?。眠り続けたその先に差し出された、サトル叔父さんの手。古書店で過ごす日々のうつりかわりの中で、貴子が少しずつ先に足を進めていく過程がいい。そんなに焦ることない、時間がいつか解決する。飄々としている叔父さんが、「貴子のためなら」と途中から息巻く場面。ちょっとだけ頼もしかった。人生の答えなんて、誰にもわからない。ちょっと方向転換してみるのも悪くない。図書館の「ティーンズコーナー」にありました。納得。
読了日:10月22日 著者:八木沢 里志
https://bookmeter.com/books/642866
■続・森崎書店の日々 (小学館文庫)
「悲しい時は本を読む。読んでいれば、騒ついた心はまた静けさを取り戻す。その世界に浸っていれば、誰も傷つけない」「臆病者だから相手に自分の心をさらけ出すのを避けていた。傷つくのを無意識に恐れてた」。なるほど。前作で立ち直った貴子が、今度は叔父さんを支えていく話に、引き込まれました。読みおわってタイトル『続・森崎書店の日々』の意味に納得。ああそうかって。そこで過ごした人たちの日々、最後は胸がちょっぴり温かくなりました。
読了日:10月25日 著者:八木沢 里志
https://bookmeter.com/books/4343540
■オーディションから逃げられない
「ありのーままのー♪」と言われても、隣の芝は青く見えるもの。人生の分岐点を「オーディション」と例えるところがナイス。そうだよね、学校に進学することも、就職することも、結婚することも。展子という女性の人生の節目節目で、負けた時に一息つかずに突っ走るところ。いやー自分を見ているようで、ちょっと心が。そして実家のパン屋のパン職人の話も、興味深かったです。きっちりしていないと、売り物のパンは同じ味にはならないんだなあ。経営していく話も含めて、痛々しい個所も多かったのですが。最後の気づきには納得でした。興味深い1作
読了日:10月30日 著者:桂 望実
https://bookmeter.com/books/13441836
■縁
前作「ひと」以降ソフトな印象から、ちょっと苦いミドルテイストに見事作風を上げてきた感あり。「霧」「塵」「針」「縁(へり)」、そして「終」。各章のタイトルできっちり話を締め次に行く所は、まずナイス。登場人物が少しずつクロスしていく所では、読み手が分かりやすいよう、重なり合う場面をプレイバックしている所も丁寧に書いているのが興味深い。市井の人々それぞれの悲喜こもごも。苦あればちょっと楽も来る。「白馬の王子様は、基準を下げれば結構いる。ただ多くの王子が降り方を知らず、一々手を貸す必要有り」。なるほどね。
読了日:11月05日 著者:小野寺 史宜
https://bookmeter.com/books/14329761
■静おばあちゃんにおまかせ (文春文庫)
刑事と女子大生とおばあちゃん。なんとなく最初は、赤川次郎さんの過去作に似てるような気もするなあ・・・と思って読んでいたのですが。タイトルの静おばあちゃんは「安楽椅子探偵」風で外には出ず、要所にチラッと。中盤あたりから「両親をはねた加害者は、あの被告じゃない」という円の疑問が並行して進んでいくところから、一気に面白くなってきました。各章の事件の謎を解いていく様も、分かりやすい。最期の事件も解決〜と思ったラストの「!!!」。だよね、中山さんだもの、こう捻ってきたかのオチ。途中断念せずによかったです。
読了日:11月11日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/8342878
■静子の日常 (中公文庫)
のっけから“ばかについて調べたいと思った”。加えて短い話がいくつも出てきて???。だけど読んでいくうちに、話の世界にのめり込みました。祖母・静子をメインに。親子3世代家族4人の、日常が綴られていく様。そしてちょっとずつ絡み合う様が心地よい。話が短いので寝る前でもいいかなと思ったけど、結局さっくり読んじゃった。終盤「海苔巻きが待っているから、家に帰ろう」。このセリフ、気に入りました。良作。
読了日:11月11日 著者:井上 荒野
https://bookmeter.com/books/5052871
■朝のスッキリ1分ヨガ&夜のゆるゆる3分ヨガ
「夜ヨガ」に興味があって借りました。ヨガモデルがイラストで、かつ小さいので。50代の目にはちょっときついかな。でも冒頭は基本があり。「朝ヨガ」「夜ヨガ」それぞれ15くらいのポーズなのでやりやすそう。本も薄いので、いいかと。
読了日:11月12日 著者:シダ エリ
https://bookmeter.com/books/98166
■あずかりやさん (一般書)
初読。表紙から猫本?と思ったけど、そうじゃなかった(猫が語りの章もあるけど)。持ち込まれる物の、エピソードや。語りが人間だけじゃなく、お店の暖簾やケースっていう設定。学生向けのようだけど、大人だって十分楽しめるし。むしろこういう、最後はほっこりする話ばっかり読んでいれば心も優しくなれそう。『おそらくここは、みんなの帰る場所。いつまでも変わらずに待ってくれている場所なんです』。駆け込み寺っぽいかもね。私だったら何をあずけたいかなあ。
読了日:11月13日 著者:大山 淳子
https://bookmeter.com/books/6510939
■一日の体調を整える 朝のヨガ
正直字が細かいので、本を見ながらやるのが難しい。朝ヨガのポーズは少しで、後は「身体に優しいおはなし」でした。
読了日:11月14日 著者:サントーシマ香
https://bookmeter.com/books/12730318
■([お]15-2)あずかりやさん 桐島くんの青春 (ポプラ文庫)
帯には「桐島の青春時代」云々とありましたが。店主の話はそれほど出てこず、前作に引き続き店に預けられた、文机・オルゴールの擬人化=目線で語られるエピソード。ちょっと悲しい話ばかりなのに、さらっと読めてしまうのがいい感じ。「明日町こんぺいとう商店街には楽になる扉がある」。いつでも駆け込める場所があると知っているだけで、前に進めるのかも。1作目から読むのがベターです。
読了日:11月15日 著者:大山 淳子
https://bookmeter.com/books/12981354
■風は西から
久しぶりの村山さん。恋愛小説のイメージが強く、社会派をどう描くのかな。冒頭1/3は千秋と健介の結婚一歩前の恋愛話なので、二人に感情移入できました。健介の仕事に一生懸命な所、だけどだんだん崩れていく場面は心が痛みます。労働組合もないワンマン会社ってどうよ?。千秋と健介の両親が、悲しみの中から立ち上がり。「あんたらの誠意っちゅうのは札束の形をしとるんか!」と会社相手に啖呵をきって反撃に出る姿。第2の犠牲者を出してはいけない、息子の無念を晴らさねば。読んでいる方も俄然力が入りました。一気読み間違いないです。
読了日:11月17日 著者:村山 由佳
https://bookmeter.com/books/12713472
■毎朝、目覚めるのが楽しみになる 大人女子のための睡眠パーフェクトブック
「寝る子は育つ」「寝ればなんとかなる」ってこういうことかーな内容。容易な文章で印字も大きく。大切なところはマーカーになっているのも読みやすい。いくつもうなづくところがあり。「寝不足だと夜ものを食べたくなる欲求が高まる」はドキーン。運動をすると寝れるは実感してたけど。「昨日の就寝時間から19時間後がベスト」は、なるほどなあ。睡眠に悩む人もそうじゃない人も、手にとってみる価値はあります。寝る前の耳じゃんけん、気持ち良すぎ。
読了日:11月17日 著者:友野なお
https://bookmeter.com/books/11993797
■美人をつくる熟睡スイッチ
睡眠のことを知りたくて借りました。結構なるほどなあ、の発見もいくつか。「熟睡スイッチをONにする時間割設定」。起きる時間から逆算して、入浴や食事時間を計算するって面白い。ただ、我が家は入浴後の食事なんだよねーと。「就寝前のうっとり時間」には、日本語の歌は詩の内容等が頭に入るので、避けた方がいいには納得。「入浴手順」も1回目は20分以内→次は短時間と、へーな箇所も。寝る前に温めたハンドタオルを目に当てるのも、良さげだな。ストレッチ方法もあったりして、睡眠に悩む方は参考になるかもです(実は結構熟睡派でした)
読了日:11月17日 著者:小林麻利子
https://bookmeter.com/books/11238453
■集団探偵
格安物件に入居したら、「ここで暮らす住人には探偵活動に参加する義務がある。参加したくないなら出て行くしかねえな」って。聞いてないよ〜。主人公・流太が入ったことで住人の数が奇数=多数決ができるって笑。「クマ出没事件」「逆・振り込め詐欺事件」等、各章のタイトル=事件が。身近にありそうな話ばかり&語り手は主人公の目線のみなので、わかりやすい。「報酬はハートに支払われる」「警察じゃないので多少法に触れても問題無い」「謎に貴賎も大小もない」って、胸をはるメンバーがまた愉快。よくある話でしたが、終章がグッジョブ!
読了日:11月18日 著者:三浦 明博
https://bookmeter.com/books/12702267
■テミスの剣 (文春文庫)
警察物8割・裁判物2割。この二つの要素で構成されているのがとても興味深い。昭和59年・不動産屋夫妻殺害事件を軸に話が展開。証拠が揃っているなかで、被告の無罪主張。判事は法律家としてではなく、一人の母親として悩む姿が印象的。主人公・渡瀬が、ずっとこの事件に巻き込まれて行く様。冤罪だったことが発覚し、調べて行くに連れて大渦に巻き込まれながらも、自分を貫きとおすのは。「組織を裏切るのかor忠誠を誓うのか」。途中かつてのパートナーの姿を見て「これは未来の俺だ。刑事としては優秀でも人間としては劣悪」。読み応え抜群!
読了日:11月20日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/11495512
■心に輝く 旅の宝石箱: 著名人が綴る珠玉のエッセイ集
人情モノかなあと読み始めました。著名人といっても実に様々な方が列車や、出かけた先の思い出を書いてました。谷村新司さんの「駅弁は心のエネルギー」「富士山でその日の運勢を勝手に占う」って、わかるう!。あと私の 地元が出てきた回は興味深い。毛利衛さんの「F駅(地元駅)の駅構内で食べた蕎麦が美味しかった」の記述を見て、もう猛烈に駅そばが食べたくなりました。一人旅、したいなあ。
読了日:11月20日 著者:交通新聞社
https://bookmeter.com/books/13629681
■あしたの朝子
さっくり読めたのですが、山口さんのお母様の伝記ということで。うーん、どこかで観た様な内容なのは仕方ないのかな。戦後周辺からの話なので、古めかしいし。義母の記述がほとんどないところも、どうかな。別居しているとはいえ。私世代でもそう思うから。「食堂のおばちゃん」シリーズ的に、若い人が読んでもわからないかも。ま、時代を読んでいくと思えば。それなりかな。食事のシーンはさすがです。
読了日:11月22日 著者:山口 恵以子
https://bookmeter.com/books/9757095
■少し金を貸してくれないか 続・三角でもなく 四角でもなく 六角精児
ビバ!六角さん。TVでよく語る「ギャンブル放浪記」的話はあまりなく(前作であったっけ?)。ちょうど執筆時が「石ころ人生」が出る頃だった様で、バンドの話も興味深い。鉄道や芝居の話そして不健康の話。「ダメじゃないのお〜」って肩をバンバンしたくなったりして。六角さんファンにはたまらない、エッセイでした。
読了日:11月22日 著者:六角 精児
https://bookmeter.com/books/7993337
■スナック墓場
タイトルに惹かれて読んだのですが。クリーニング店のところで、オチがないのに気づき。私にはあいませんでした。残念。
読了日:11月24日 著者:嶋津 輝
https://bookmeter.com/books/14338826
■たそがれビール (幻冬舎文庫)
そういえば小川さんの小説は何冊も読んだけど。エッセイってあまり読んでないかな。寝る前のひと時に、少しずつ読みたい感じのサラッとした感じが好感度大。「サーカスの取材」って、あの作品だよね〜って思い出したりもしました。一番心に残ったのは、「自国を離れれば、中国も韓国も日本も、仲良くなれる」。目から鱗でした。またエッセイ集、寝る前のお楽しみに、読んでみたいです。
読了日:11月25日 著者:小川 糸
https://bookmeter.com/books/9296563
■まち
本屋大賞2位の「ひと」→「縁」→今作の「まち」。シンプルなタイトルが続いているけど、読み終わってからそういえばこの本のタイトル・・・!。と納得する作風が実にいい。大事件はない。でも日々過ごすうちには色んな出来事があって、それが人を繋げていく。そんな市井の人々を丁寧に書かれているし、一貫して主人公視線なのも分かりやすてシンプル。なんとなく住み始めた東京の生活。もしかしたら田舎に帰るかもしれないけど、今はここに居る=住めば都。帰るところがあるから、心はブレない。じいちゃんの言葉が随所に光っているのも味わい深し
読了日:11月28日 著者:小野寺史宜
https://bookmeter.com/books/14788650
■育てて、紡ぐ。暮らしの根っこ
小川さんの著書を読んだことがある方なら、「あの作品(どれでも可)の根底は、ここにあるんだな」と思える一冊。「自分に無理をせず、できる範囲で今を大切に生きる」。そんな考えが随所に垣間見れました。ちょっと散らかってるけど、掃除は週末でいいや。立ってこんでいる時は、家から5分のお弁当屋さんを家のセカンドキッチン(この言葉好き)に。犬と一緒に暮らし始めて、家族が群れになるーー。ドイツでの暮らしの話も興味深い。「物を捨てるのは、本当の最終手段=使えるものは他人に譲る」。捨てる作業は心が痛むものね。縁側で読みたい1冊
読了日:11月29日 著者:小川 糸
https://bookmeter.com/books/14317528
■119
そういえば「消防士」物って、警察物に比べて少ないなあ。その着眼点よし。短編集なので、「これさっき出てきた人だけど、だれだっけ?」状態が多かったものの。ま、その辺は気にせず。「消防士は救助者を不安にさせないために、笑顔で救出」ってなるほどなあ。その話で最後がサスペンスっぽい結びなのも、お!って。ま、正直物足りなさはあるものの、切れ味が一風変わっているあたりは安定かしら。
読了日:12月02日 著者:長岡 弘樹
https://bookmeter.com/books/13803531
■わたし、定時で帰ります。
定時で帰れない理由は、仕事量が多く人員が少ないから。その通り。帰れないと生活が不規則になり、心身の健全化バランスを保てなくなる。退職してまた人が減る。だよね。読む前は自己中女の話かな?と思ったら。どうしてこれが昨今の「働き方改革」にぴったりな展開。主人公・結衣の「定時帰宅」ルーチンが崩れていく様は、どうなっていくんだろうと冷や冷や。そんな中でも、どうやって元に戻すか。チーフとして皆を「定時帰宅」させていくかが、興味深かったです。
読了日:12月04日 著者:朱野 帰子
https://bookmeter.com/books/12701254
■わたし、定時で帰ります。 ハイパー
「定時で帰る管理職」。前作よりまさにハイパーな展開。上に立つことは下を育てること。だけど自分にだって仕事もあるし・・・。なお仕事要素もとても濃い。自称大型新人・甘露寺等若い新キャラも出てきて、脳内を整頓するのが大忙し。でも結衣は人を束ねる能力に長けてるとみた。晃太郎の全力アシストもあるけど、「部下を定時に返すために」いろんな難問に突き進むしね。途中ダメかなあとしんどくなったけど。盛り返していくところはまさに下克上。「忠臣蔵」の話の挿入も、わからないながらも納得でした。
読了日:12月05日 著者:朱野 帰子
https://bookmeter.com/books/13576394
■駒音高く
実に面白かった!。連作短編集とはいっても、登場人物が微妙にこうさしている程度。各章の主人公がとても人間味があり、読む手が進みます。将棋を指す人だけでなく、将棋会館の掃除のおばちゃん・新聞記者・保護者。いろんな視点から「将棋の醍醐味」を感じられました。ルールは一切知らないのにね。将棋にはチームメイトはいないけど、ライバルならいくらでもいる。時に最善手を差し切って、伴侶を得たり。引退の引き際をいつ決めるのか。将棋って人生の荒波を乗り越える様と似ている気がします。
読了日:12月09日 著者:佐川 光晴
https://bookmeter.com/books/13362606
■育休刑事
初読。まずこのタイトル。どんなものか?と気になり読み始めました。「赤ちゃんはいるだけで周囲を和ませる社交の達人」。なるほどねえ。育児の大変さを男性目線で語る話と、時々「近くまで来た、ちょっと来い」な捜査話。加えて姉のキャラが痛快。法医学教室准教授だけあって、負傷者の状態に興味津々で話に頭を突っ込む。ちょっとした捜査アドバイザーなのが新鮮。最初の2話は、なんちゃって捜査&育児。最後の書き下ろしが、それらを踏まえて「そうだよね」と納得する進み方が、実に面白くちょっとハラハラ。ずっと気になっていた妻の設定もよし
読了日:12月14日 著者:似鳥 鶏
https://bookmeter.com/books/13749554
■待ち遠しい
新聞連載だからか、場面の切り替えが繰り返されて。39歳独身主人公目線のみゆえ読みやすい。内容はご近所になった、年も多様な女性たちの話。お節介63歳と唯我独尊25歳(親戚関係)って、三人集まれば色々あるある。男性があまり出てこないのも面白い。どの年代にも近くない私だけど、主人公の気持ちに結構頷く箇所がありました。周りが賑やかだと自分の存在を見失う。母と父の関係を保っているのは、母の努力の結果。自分のことで精一杯で母親になることが想像できない。そうそう!うまいところついてきたなって。自分の人生を肯定されたかな
読了日:12月17日 著者:柴崎 友香
https://bookmeter.com/books/13786650
■月まで三キロ
一言。「鼻の奥がじんと熱くなる」。初読でこの作品を引き当てた自分に👍。月・星・雲。そして火山・アンモナイト・地層。地学的(でいいのか?)な理系の話と、つまづき悩む人々の話しが実にうまくミックスされて。そりゃそうだ私達は自然の中で生きてるんだもんね。この視点・展開が新鮮。非理系な私でもとても興味深く読めました。短編6編がギュッと濃縮されてるのもいい。「天王寺ハイエスタス」。ミュージシャン崩れの叔父さんが、毎年大阪湾に音楽グッズを捨てている=堆積物。その年縞から叔父さんの知られざる面が分かった場面。なるほど
読了日:12月18日 著者:伊与原 新
https://bookmeter.com/books/13310084
■図書室
図書館じゃなくて、図書室。なので思っていた内容とは全然違ったけど。淀川が流れる大阪の顔というか姿が、ちょっと垣間見れたような。女の子目線なのがまあまあ。「給水塔」は、著者と年齢が近いので。わかるなーっていうところもあり、こちらの自叙伝の方がまだよかった。
読了日:12月21日 著者:岸 政彦
https://bookmeter.com/books/13893660
■お寺の掲示板
昔から疑問に思ってました。「なぜ寺院前の掲示版に言葉が書いてあるの?」。布教目的って、へー。最近減ってきたお寺の掲示版の光を当てたいと言う目的で始まった「輝け!掲示板大賞2018」。いかにも現代風な2作に注目。「お墓参りはご先祖さまとのオフ会」「ほとけさまに圏外なし」。うまいこと言うねえ。宗教的考えとか信じるとかは、正直言ってないのですが。日ごろの心の雑念を払いたかったり、悩んだときの心の拠り所になってくれるのかもしれないね。解説ではそのほかに「お経」の意味(釈迦の教えを書き写した物)や。気軽に読めました
読了日:12月22日 著者:江田智昭
https://bookmeter.com/books/14406880
■ぷくぷく
読み終わってこんなに心が温かくなった本は久しぶり。金魚の「ユキ」目線の話と、一緒に住むイズミの話が時々。スルッと読めるシンプルさなのに、泣いちゃう一歩手前でした。淋しい心は誰かと一緒なら和らぐ。ユキの喜怒哀楽の描写やとても瑞々しく、ストーリーテラーになっているのもいい。まさに森沢マジックここにあり。一足早いクリスマスプレゼントをもらった、そんな気持ちでいっぱいです。
読了日:12月22日 著者:森沢 明夫
https://bookmeter.com/books/14780706
■国境を越えたスクラム-ラグビー日本代表になった外国人選手たち (単行本)
ラクビーW杯開催に沸いた2019。ルールも選手も知らなかったのですが(ファンの方ごめんなさい)。流行語大賞「ONE TEAM」に至るまでの日本ラクビーの歴史は、こうやって作られていったのだなあと、興味深く読みました。日本とトンガのラクビーが「ソロバン」を通じて始まったなんて意外。国王が日本びいきでソロバン大会をしてたのか!。言葉が通じないならプレーで理解してもらうしかない。チームに馴染むにはラクビー以前に、人間としての姿勢が重要。10代の留学生には、受け入れる側も母国の親が安心する体制が必要も納得。
読了日:12月26日 著者:山川 徹
https://bookmeter.com/books/14135076
■ちゃんぽん食べたかっ!
「さださんがかつてヴァイオリンを諦め、今はギターを弾いている」というのは知っていたけど。中学校の時に英才教育を受けるため単身上京し、大いなる挫折を味わい。お金のためヴァイオリンを質屋に持ち込もうとする場面は、胸が痛かった。楽器に限らずスポーツでも、地元で天才でも東京では花咲かない話っていうのは。書かれている昭和40年代だけではなく、今もあることでしょう。No.1になれるのはごく一部。挫折の日々の中でも、下宿先で聞いたビートルズ、同郷人の助け、仲間、先生。その出会いを胸に成長する過程。、興味深かったです。
読了日:12月29日 著者:さだ まさし
https://bookmeter.com/books/9729543
■ペテロの葬列
2019読書lifeを締めるに相応しい圧巻の685頁。普通のs諾品ならバスジャックの事件解決で一本書ける内容なのに。途中主人公・杉村の職場でのトラブルを挟みつつ、バスジャックの事件には続きがあったというこの濃さ。ひえー、どう決着つくのか?とヤキモキしながら読んでました。ほうそっちへ転ぶのねが延々続いて。最後あっと言わせる幕引き。登場人物が多くないのでわかりやすいのもいい。悲しいんだけどそれほどバッドエンドじゃない。杉村のキャラがそうさせるのか。このシリーズ順番で読んでないし、時間が空いたけど大満足でした。
読了日:12月31日 著者:宮部 みゆき
https://bookmeter.com/books/7783328

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『愛を巻き戻して』

「時は戻せやしない せめて愛だけ巻き戻して」 敬愛する杉山清貴&オメガトライブのアルバム曲から。 写真ブログ→読書&ランニング記録、そしておうちヨガ。

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